ひさしぶりに母のぶっくくらぶの絵本のご紹介です
最近は「素敵だけど・・・」とは思うものの、ご紹介したいほどではないものが続いていたのですが、今回はすごくよかったのでご紹介
赤羽末吉 画
これはきっとみなさんご存知の絵本
『つるの恩返し』といったほうがピンと来る方も多いはず
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ケガをした鶴を助けた男のもとに、ある晩きれいな女性がやってきて
「妻にしてほしい」
といいます
貧しい暮らしの中、この妻が、
「機を織らせてほしい。ただし絶対織っているところはのぞかないでほしい」
と言って部屋にこもり、素晴らしい反物を織ってきます
この反物は高く売れ、2人は幸せに暮らしますが、ある日他人にそそのかされたその男は、またもや反物をを織って欲しいと妻に頼みます
「お金はいくらあっても困るものじゃない」
愛する男に懇願された妻は、
「きっとこれが最後ですよ」
「やはり絶対部屋はのぞかないでください」
と反物を織るべく部屋にこもります
どうやってあんなきれいな反物を織っているのだろう・・・
誘惑に負けた男はそっと部屋をのぞいて見ます
そこには一羽の鶴の姿が・・・
それを見て気を失った男
目が覚めたときには1つの反物だけが残り、妻の姿はどこにもありませんでした
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これは幼稚園でも読まれる『つるの恩返し』です
小さい頃に読んだこの本のイメージは
「命を助けてもらった鶴が、その恩を返しにやってきて、正体がばれたので帰っていった」
程度のもの。
どちらかというと
「よい行いをすると、いずれ良いことが返ってくる」
という道徳的な絵本だと思っていました
が、今回この『つるにょうぼう』を読んで、この本のイメージが全く変わりました
絵本の中で、妻は合計3回機を織ります
そのたびに目に見えて妻はやつれていきます
その理由は絵本の最後のほうでわかります
『一羽の鶴が、血にまみれ、じぶんの羽を
くちばしでひきぬいては、はたにかけて
いるのでした』
鶴は、自分の命の恩人であり、愛する夫のために、自分の身を裂いて一生懸命機を織っていたのです。
単に『鶴が機を織る』だけでは伝わってこない表現がこの絵本にはあり、
「この絵本は単に道徳的な絵本であったわけではなく『純粋な愛の絵本』だったのか」
と思わずにいられませんでした
最後、遠くから聞こえる妻の声とともに、男の手元には綺麗な反物が1つ残ります
文章はここが最後で、次のページには両開きで、真っ白な雪に覆われた大地と山、灰色から錆びた青色に変化している空の中を切なそうに飛んでいく一羽の鶴の様子が描かれ、ここで絵本は終わります
読んだあと、胸にジーンとくるものがありました。
最近の絵本は、子ども用に脚色されたり、内容を少しゆがめられたりしたものが多いのが実情です。
この絵本のように、美しい日本語の文章と絵、昔から伝えられてくるべくして伝えられてきた、心打たれる内容・・・
こういった日本の美しい絵本を、子どもたちにもっと読んでもらいたいと強く思いました
愛とかなんとかは幼いうちはまだわからないと思いますが、読み続けるうちに、その素晴らしさが心に刻まれて、きっと大人になるうえで『心の栄養』になってくれると思います
日本の民話や昔話は、外国の絵本や最新の絵本に気おされてあまり読まれなくなってきたように感じますが、もっともっとみなさんに読んでいってもらいたいなぁと思いました
最後に、この絵本の見開きがとても素敵だったのでパチリ
わかりにくいかもしれませんが、濃い紺の中に、金の一羽の鶴が版画を刷ったように描かれています
美しい日本の絵本をもっと大切にしていきたいですね![]()

