このブログから故意に遠ざかっていました。
1型糖尿病の発症待ち、という特殊な状態とはいえ、出産後、妊娠中に打っていたインスリンから解放されていましたが、
いつかやってくる。
膵臓機能の低下。
そして発症宣告、
その日から、一生、
インスリン注射が不可欠な日がくる。
それなしでは生きられない。
一日も欠かせない。
今の医学では完治しない。
やがて来る、その日の不安から出来るだけ自分を遠ざけ、
子供の成長の楽しみだけを考えて過ごしたいと思ったからです。
そして、1型糖尿病のお仲間に入れていただきながら、
何処かで、すでに発症していて闘病されている方もいるというのに、
私はまだ非インスリン依存状態だという申し訳ない気持ち、
それから、『発症を待っているだけ』という恐怖。
この気持ちを、どう処理したらいいのかわからず、出来るだけ考えないように過ごしていました。
総合病院から町医者に変わって2年半、
定期的に検査を続けてきた。
病気の根源となるGAD抗体は20前後の数値を示し、基準値をはるかに超えているものの、
ヘモグロビンA1cは、4.9、
まだ膵臓は機能している。
依然、このまま様子を見て行きましょうと言われても、安心して病院から帰ってきたことは一度もない。
そして、毎回、弱音を吐く間さえ与えず、淡々と検査結果を読み上げ、2年以上通い続けても一向に信頼関係が生まれない町医者への不信感。
そんな時、足に気になるしこりがあり訪れた病院の外科医が、
しこりの事より、私の今の発症待ちという、特異な状況に気付き、色々聞いてくれた。
久しぶりに医者という立場の人に弱音を吐くことが出来た。
体調が悪くなると、体温計より先に、血糖測定をしてしまう事、
いよいよお迎えが来たかなと、考えてしまう事、
いつまで自由に何も考えずに食事ができるのかなど、
今は検査をすること以外、なんの施しようもないのか?
本当にその日が来るのを待っているしかないのか?
しこりを見せにきたはずの外科医に弱音を吐いていた。
その時間をくれた外科医に感謝をした。
そして、『それは、当然そう考えてしまうでしょう』
と共感してくれた言葉にホッとした。
考えないようにして、しまっておいたはずの箱の中が、
いつの間にかいっぱいになってしまっていたことに気が付いた。
しこりの検査を終えてきた私に、異常はなかったと伝えた後、
その外科医は紹介状を書いてくれた。
前から気になっていた1型糖尿病にチカラを入れている病院の紹介状。
それを家に持ち帰ったが、今度は別の不安に駆られた。
ここへ行くという事は、考えないように過ごしてきた病気としっかりと向き合わなければいけなくなる。
ということ。
そして、私がいままで調べて来た情報から
今の私に唯一ある『有効な治療は何か』を私は知っていた。
そこへ行けば、その治療が始まるかもしれない。
それは、
【インスリンの早期導入】
1型糖尿病を発症する前に、少しづつインスリンを入れることにより、
いつか機能のしなくなる自分の膵臓の働きを温存する。
でもこれって?
私が恐れているのは、インスリンの欠かせない生活がそのうち訪れること。
でも、そのために、毎日少しづつとは言え、インスリンを打つ生活が始まってしまうのでは、結局同じ事ではないか?
そんな悶々とした思いを抱えながら、
紹介状を持って出掛けた。
先生は、私がわかっていることを承知の上で、
もう一度、病気の正体や、これから待っているだろう私の未来の話を噛んで含むように話してくれた。
私の話も、ゆっくり聞いてくれた。
そして、また私がわかっていることを承知の上で言った。
『インスリンの早期導入をお勧めします』
と。
私は、もう一度確認した。
私は、今後絶対に、
GAD抗体が正常値になって、
1型糖尿病にはなりませんよ。
って事にはならないのか?と。
その可能性は医学的に絶対ゼロなのか?と。
発症していない今、発症しないための何かはないのか?と。
ダメもと。まさしくこの事だ。
先生は、一生発症しないという可能性はゼロではないです。
でもその可能性を期待して待つより、
医学的にも確実に成果があると、実証されている
インスリンの早期導入をすることで、発症を遅らせることの方をお勧めする。と。
でも、これはあなた自身で決めてもらうしかないです。
今は、インスリンを打たなくても何ら問題はありません。
なのに、打たなくてはいけなくなるというのは嫌だと言う方もいます。
でも、あなたが私の身内だったら、
無理にでもインスリンの導入を勧めます。
この方法が今の私には最善なのだという事は知っていた。
だから町医者で検査だけで過ごしてきた。
1型糖尿病をよく理解している先生のところへ行けば、
きっと、待っているだけでなく、何らかの治療を始めてくれる。
それが、私の知る限りではこの方法しかなかった。
でも、心の何処かで、何かを期待していた。
他の方法や、もっと希望がもてる何かを。
きっと何もないのに、知っているのに期待していた。
診察室で泣いた。
泣きながら、覚悟を決めた。
先生は隣でその時間を私に与えるように、ゆっくり待ってくれた。
私は、ようやく話せるようになり顔を上げ言った。
『不妊治療のときも、こう考えました。
もし、赤ちゃんが出来なくても、おばあちゃんになった時、
頑張ったけど、赤ちゃんは出来なかったもん!と、言えるようにしたかった。
後悔をしないための不妊治療だったけど、こうやって子供を授かることが出来たんです。
だから、これも覚悟をきめないと。ですね』
そういうと、先生は、
インスリンが辛くなったら、またやめればいいですよ。
打ちたくない日は打たなくてもいいです。
ビタミン剤を飲んでると思って。といっても、方法は注射だから、そんな気持ちに、なかなかなれないことはわかりますが。
と。
先生もきっと辛い事を宣告しているのだ。
でも、ちゃんと分かってくれる人が、ここにはいる。
妊娠中のインスリンは、お腹の赤ちゃんのためだから、と頑張れたが、
今度は自分の為に頑張れるだろうか。
ビタミン剤のつもりの、自己注射。
という訳で、もらって来ました。
新しい『血糖測定器』と、『ランタス』