これを聞き、

「このままずっと取り残されててもいいんだけど。」

と真顔で言うと、勘のいい次男は私の静かな怒りに気付いたようで、オーバーリアクションで言いました。

「Hi マザー！息子に会いたかったでしょう！帰っきてうれしい？うれしい？絶対嬉しいよね！いや～長らく帰省せずにごめんね～。やっと帰ってまいりましたー！ちょ～っと海外が長かったもんで～。ハグする？ハグする？」

と、海外帰りの雰囲気をちらつかせながら、得意の言葉の煙幕でごまかそうとしました。

深夜1時過ぎに。

ガン無視で車を走らせ、自宅の駐車場に到着。

エントランスに向かって歩きながら

「新しい家の鍵は後で渡すから。」

と言うと、次男、自分が持っている鍵の束をポケットから取り出し言いました。

「え～じゃあさ～オレが持ってるこの鍵は一体なんなん？」

はあ？（大丈夫か？この男は！）

「前の家の鍵じゃないの？（鍵ショップでコピーしたもの）後で私にください。新しい鍵と交換。」

これで話が終わると思いきや、まだ続きました。

「え～とこれは前の家の鍵か～。これは寮の鍵、ん～あれ～？じゃあこれはどこの鍵？」

と、1本の鍵を私の目の前に出しました。

知るわけないやろ！

なぜ私が知っているのか逆に聞きたい！

てか、鍵持ってる人がどこの鍵か知らない事ってある？

ダメだ。この男にバカ真面目にかかわってはいけない。

目の前の男は間違いなく私が産んだ子ではあるが、想像を絶する異端児に育った可能性がある。

いちいち驚いていては明日私が脳内疲労で死ぬ。

エレベーターに乗り込んだ時、急に次男が

「あ＝！」

と大きな声を出しました！

「マザー、これはあれだわ！自由に部屋使っていいよ～って鍵もらったんだったわ。で、一回もその家行ってない！

あはははは～ウケる～。マジ忘れてた。」

は？誰に?誰に？

どういう関係？

鍵渡されるって何？

…ゲーム仲間の人が、次男の寮のネット回線が悪い時にその人の家のネット回線を使ってもいいよと、鍵を渡してくれていたみたいです。

そんな親切な話をなぜ忘れる？

死んでわびるレベルやろ。

続く。

子どものことで疲弊する日々③