「闘将・星野仙一」
星野さんとの思い出は35年以上前の小学生の時。
まだ「熱い男」と呼ばれていた現役投手の頃。
少年野球チームに所属していた私は近所の方の計らいにより野球教室で星野さんと会う機会があった。
「現役プロ野球選手が来る」
それは幼い少年達の心を躍動させるのに十分過ぎるフレーズだった。
勿論、球場以外でプロ野球選手に会うのは初めての事。ましてや野球を教えて貰える事なんて想像もつかなかった。
当日、グラウンドには複数のチームで100人くらい集まっただろうか。
それだけ集まれば大人がいても収拾つかなくなるが星野さんが姿を見せた瞬間、水を打ったような静けさになる。
当時、星野さんをテレビで見るのは巨人戦で投げている時だけ。スポーツニュースは幼い私にとって遅い時間だったのでほとんど見ることはなかった。
紹介、挨拶と星野さんの話が終わりいよいよ野球教室が始まった。
希望する少年達がプレーし、星野さんが教える。
年長者が優先されたので私は見ているだけだったが一つ一つの動き、言葉その全てが新鮮なものに映った。
たまに言う星野さんの冗談にみんなが笑う。
時間はあっという間に過ぎていった。
最後の挨拶で星野さんが言った言葉は今でも覚えている。
「お父さん、お母さんの言う事をちゃんと聞くんだぞ」
冗談のような言い方だったが、その言葉の重みは監督、コーチの比にはならなかった。
短い夢のような時間ではあったが、幼いながらにその存在感に圧倒された。
野球人、星野仙一
野球界発展への活動に感謝、そして星野さんの意思が今後若者たちへ引継がれることをお祈り申し上げます。
本当にありがとうごさいました。
ご冥福をお祈りいたします。


