お墓参りの作法はよくわからないが、一人なので自由にしている。
というのも軽く掃除をして、父の好物をお供えし、お線香の火が消えるまでに食べ尽くす。というものだ。
そこでいつも現れるのが、恐ろしくがめつい猫だ。
食べ物を取り出した途端に、どこからともなく現れる白黒の猫。
お行儀よく正面に座り、ニャーと何かを訴えながら見つめてくるその視線にいつも負けてしまう。
そしてチキンナゲットを分け合う。
猫には興味があるものの近寄られると少し強張ってしまうのだが、食べ物を分け合ううちになんだか可愛く感じてきた今日この頃。
この小柄なボディに、食べ物に執拗に執着する様、もしやこの猫、、父さんなのか?
なんて考えながら火が消えるまでのひと時をともに過ごす。
先日帰省した際、先に用事を済ませたため、少し遅い時間にお墓参りをした。
やはり現れた、がめつい猫。
いつものようにナゲットをちぎってやると、なんと他にも二匹、白猫と黒猫が現れたのだ。
しょうがないので四人(一人と三匹)でナゲットを分け合う。
5個入りのナゲットがあっという間になくなった。
なくなったことを伝えると、白猫と黒猫は遠くへ行き毛繕いを始めたが、
がめつい猫は、ニャーニャーと食い下がってくる。
「もう本当に何を持っていない。」と猫に手のひらを向けながら話しかけていると、建物の入り口で住職さんと思しき人が、笑いながらこっちを見ていた。
今はおそらく17時過ぎか。なるほど、退勤の時間に居合わせてしまったのか。
猫に必死に説得している場面を見られてしまい、とても気まずい面持ちで挨拶をした。
聞くところによると、なんとこの霊園には四匹の猫が住んでいて、他の猫はみんな、がめつい白黒猫の子孫らしいのだ。一番若い子で4代目になるとか。
なんだ、君はおばあちゃん猫だったのか。
すごいじゃん。おばあちゃんが一番食べるじゃん。
やはり食欲と生存能力は直結しているのだろうか。
がめつい猫を見習いもっと貪欲にならねば。
ここ数日、食事を考えるのが面倒で、プロテインと野菜ジュースで生きていた私は、がめつい猫を見て反省したのだった。
そしてナゲットも健康によくないだろうから、次はチュールでも持っていくとするか。
終わりにがめつい白黒猫さんの写真をポスト。
ではでは〜