『春宵十話』岡潔著 光文社文庫




岡潔氏は数学者ですが、随筆の文章がちょっとロマンチックで好きです(*´ω`*)

この文庫も、面白いこと色々書いてます。

私は高校時代、数学の時間は昼寝してたので全くこれに関しては落第寸前。
苦手意識があったのですが、岡潔氏の話を聞いてみると、無期質的な数学ですが実は情緒的な世界で解かれている…という事実に出会ったりします。

こちらの文庫から面白い逸話をひとつ。

「私が中学のころ、数学の試験は答案を書き終わってからも間違っていないかどうか十分に確かめられるだけの時間が与えられていました。それで十分に確かめた上に確かめて、これでよいと思って出すのですが、出して一歩教室を出たとたんに「しまった。あそこを間違えた」と気づくのです。そうして、しおしおと家路につくのです。たいていの人はそんな経験がおありでしょう。実は私などはそうでない場合のほうが少ないくらいでした。
教室を出て緊張がゆるんだときに働くこの智力こそ大自然の純粋直感とも呼ぶべきものであって、私たちが純一無雑に努力した結果、真情によく澄んだ一瞬ができ、時を同じくしてそこに智力の光が射したのです。そしてこの智力が数学上の発見に結びつくものなのです。しかし、間違いがないかどうかと確かめている間はこの智力は働きません」

私はこの文から、おおいにインスピレーションを受けました。

脳の未知の領域、これは自分の意識で云々できるものではなく、リラックスしたときにはたらきます。

寝ているときがそうです。

起きているときとは違う脳の領域が、さかんに働いている。


不思議ですが…
岡潔氏の話を聞くと、腑に落ちる気がします。



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