2013年6月8日
文楽鑑賞教室前半、午前・午後両方の部を観て聴いてまいりました。

この公演は、
前半/後半、午前/午後、それぞれで演者さんが変わるため
全部で4パターンの公演が上演される事になります。

まるで、某アイドルグループのCDの様な…
と思いつつも、違いを楽しみたくて両方のチケットを取ったのですが

実際に行ってみて
《続けて2つの公演を見て大正解やった~!!》
と強く思いました。


演出家が居ないと言われる文楽。
演者さんによって解釈が異なり、演出が異なることは
なんとなく解っていたつもりだったのですが、

全然解っていなかった! というコトが解りました。

これはきっと、続けて同じ舞台を観たから感じられたことで
数年後に同じ舞台を観て聴いたとしても
今回ほど強く実感することは無かっただろうと思うんです。


午前の部は、いつも通り
技芸員さんの創り出される世界をそのまま受け止めていたのですが

午後の部では

あれ?さっきとちょっと違う
こんな演出無かった!
この登場人物、雰囲気が全然違う!

などなど、たくさんの発見があり
それぞれの技芸員さんがイメージされる世界を
飽きることなく愉しませていただきました。


例えば
日高川入相花王より【渡し場の段】での清姫。

細かな流れはちょっと定かではないので
同じ場所の比較ではないのですが(スイマセン)

午前の部の清姫は
日高川の標札を ぐっ!と右手で掴む場面が心に残って
飛び込む覚悟を決めた!って印象が強かったのですが、

午後の部の清姫は
ふらふらと後退りするように歩いて
とん…と標札にもたれかかるような場面がとても心に残って
もう進むしかない!というようなイメージで拝見しました。


どちらが正しいとか良い悪いとかではなく、

どの舞台も一期一会で
その時しか観て聴けない生の貴重な時間なのだというコトを
改めて実感しました。


まぁ、もちろん一観客として、
こっちの方が好きだなぁとか
こっちの方がしっくりくるなぁと思う場面ももちろんありましたが、

そういった違いも含めて
やっぱり文楽って奥深くて面白い!

そう思えた1日となりました。