最初に柳杏の降臨地を紹介いたしましたが、ここ陳朝時代の英雄・陳興道(チャン・フン・ダオ)も祈願すると婦人病に効果があるとかで、参詣する人が絶えません。また、陳興道は全ての寺に神(儒教)として、寺の三宝の向かって右に祀られています。尚、左には道教の聖賢が、無論、中央には三宝があり、釈迦始め多くの仏像が安置されています。

 ここは、陳興道の一族・妻始め息子、部下が一堂に祀られています。

 陳興道は、陳朝時代の元(蒙古)軍の三度の侵略を阻止した軍師ですが、蒙古軍が攻めてくるのは、当時は帆船ですから風に乗って船で侵略に来ます。場所は白藤江(バク・ダン・ザン)海陽省(ハイ・ズオン)の白藤江川です。ここの入り口に竹の棒(杭)を打ち込み、満潮時に攻めて来る中国の大型船を小さな舟でゲリラ戦で誘い込み、干潮時に大型船が杭に引っかかり動けなくなったときに、火矢を放って脅すという方法で攻略しました。これは950年代に呉権が宋を追い払った時の方法です。

 陳興道を祀る祠は各地にありますが、それほど信仰されています。

 ベトナムでは、亭(Đình、城隍・守護神)、祠(Đền・神)、廟(Biếu、小さい祠)、寺(Chúa、仏像が50体以上ある)が各村にあり、ハノイだけでも1000軒を越す神社仏閣があります。無論、各省でも同じですから相当な数になります。

 私が暮らし始めた2001年頃は、バイクもなく、自転車の時代でしたから村だけで生活ができた時代で、村から1歩もでないで生涯を終える人もいたようです。

 

 聖地を参詣する目的は自分の悩みを打ち明けることでもあります。ですから、必ず祈願内容を書いた手紙(天に届ける祈願文)を持参します。そして、それを祭壇に捧げ、功徳をして、お邪魔する神社仏閣に全て捧げて祈願します。

 

 その後、バイクの時代が続き、今もそれに加えて車が増えましたから道路は凄い渋滞にあり、最近は、都市交通、電車、列車の時代に入りつつあります。

  

 玉皇上帝の脇侍になる北斗官吏と南曹官吏を祀る寺と祠が近くにあります。

 昆山寺は古い寺です。確か、近くに黎朝(15世紀始め)を興した英雄の一人、阮蔦(グエン・チャイ)を祀る寺があったはずです。そこは縁がなく訪れていませんが、黎太宗が20歳で亡くなり、その死因の不明さから疑われた阮氏路の主人であった阮蔦と一族が処刑された。阮蔦は黎利(レー・ロイ)の参謀であったが、この近くに祀られている。

 祭壇に安置される仏像。

 そうそう、聖地の噺でしたね。

 劫泊祠に行くには、昆山寺を始めにお邪魔して、次に劫泊祠、そして、玉皇上帝の脇侍の南曹寺と北斗寺と廻り、化生祠(Đền Sinh Hóa )、最後に朱文安(Đền Chú Văn An)祠です。

 

 北斗寺と南曹寺は、共に山にあり、バイクで登ります。

 南曹官吏を祀る寺と祠。

 何故か、ここだけに大きな岩が存在します。全く石のない場所だけに、この大きな岩は不思議です。それで、化生祠と呼ばれ、生は誕生ですが、化は化ける、天に召されることです。

 

 因みに、中国の建設した都市交通のご紹介をしましょう。

 Ga Láng(朗駅)の駅です。

 溝川みたいですが、ここは神として祀られている蘇歴川です。今は、こんな昔の隅田川みたいですが、ベトナムが豊かになれば、川も綺麗になるのでは?

 果たして、そんな時代がくるのでしょうか、私は見ることはできませんが・・・。

 これって、営業してるんですよ。2023年2月某日の2時頃です。

 これで、やっていけるのですかね。客が全くいません。原因は、客が利用することを考えないで駅を造っていること。周りには個人の住宅街です。

 これは、ほぼすべての駅に言えます。ベトナムも社会主義ですから営業利益ではなく、係の人の賄賂で建築していますが、中国側も自分の取り分を懐に入れるだけですから走る経路もなにも考えていません。12駅ありますが、全ての駅がそういうう感覚で造っています。また、距離もなく、バイクの方が便利です。また、同じコースをバスが走っており、バスは乗り換えも便利ですし、乗りなれている。また、都市交通を造るために道路の整備が行われたため、渋滞も解消され、この乗りものを造った意味がありません。沿線に工場はなし、市場はなし、ショッピングセンターもありません

 

 これは、韓国が建設している都市交通です。ここは現在、事故は起こしていないようですが、ここもハノイ駅までなので、中国よりはマシですが、ここもソンタイまで伸ばさないと営業として成り立たないでしょうね。

 中国の都市交通もホアビンまで伸ばせば、乗客も増えると思いますが、資金的にムリでしょうか。

 なんせ、ベトナム側の経験不足か、中国の儲け主義、造ればいいんだという考えのためか、走らせるコースが悪すぎます。

 現在、乗る人がいない中国の都市交通、困ったものです。