事実は小説よりも奇なり。

6月に入って
まもなくのある朝。
学校へ行く前の
息子(太郎•高1)に
告白された。

「僕、バイセクシャルなんだ。」

(°▽°)
(°▽°)
(°▽°)

朝の会話としては
ここだけ切り取ると
かなりハードだが、
一応この告白に至るまでの
ちょっとした流れがあった。

時計がわりにテレビをつけると、
情報番組でちょうど国語辞書の
表記が時代と共に
変わりつつあるという
話題をしていた。

例えば“アイライン”はこれまで
“(女性が)目を大きくみせるために…”
という説明表記だったが、
現代では女性だけがアイラインを
引くのかといえば、
そうではないので
“(化粧で)目を大きく見せるために…”
という表記に変わったという
ことだった。

↑それを見た私が
「そうだよねー。今は
色んな人がいるし、
男性でも化粧をするもんねー。」
と言葉を発した。

すると、息子が
「あ、僕ね、小梅ちゃんに
話したいことがあったんだ。」
と言ったので、
「何?」
と聞くと
「でも、やっぱり今じゃなくても
いいや。」
と言うので
「えー?!今日1日モヤモヤ
しちゃうから言ってほしい!」
と言ったことから
冒頭の告白となったわけだ。

(°▽°)
私の第一声は、

「すごーいっ!アーティストみたいじゃん!」
(↑ちょっとワケわかんない。)

「あのね、ゲームのチャットで
知り合ったゲイの人に相談したら
“君はバイだね”って言われたんだ。」

と息子。

“ゲームのチャットで
知り合ったゲイの人”が
もう何だか
異世界の人過ぎて
ぶっ飛んでいるが、
私の第二声は

「あ、小梅ちゃんはそういうの
(↑自分で自分を名前呼びしてます。)
全然大丈夫だから!!
あのね、小梅ちゃんは
おかまバーが大好きで
若い頃ひとりで週に3〜4日
通ってたからね。」
ヽ(´▽`)/

だった。

母のどうでもいい告白に息子は、

「それとこれとはちょっと違うと
思うけど…。でも小梅ちゃんが
そう言ってくれて良かった。
小梅ちゃんはそういうの嫌がって
怒ると思ってたから…。」

と言った。

まさか。
そんなことでは怒らない。

私はお弁当箱を何日も洗わずに
リュックにしまいこんでいたり、
雨で濡れた服のまま
ベッドに横たわったり、
週にたった1度の塾へ通うのに
行きたくないと
ぐちぐちガタガタ文句を
言うことに対しては激怒するが、
(↑器はちっちゃいのっ!)
自分の子どもがバイでもゲイでも
意外と何とも思わない女なのだ。
(゚∀゚)

誰かを好きになることに対して
男同士だろうが
女同士だろうが
気にしない。

むしろ性別の枠を超えて
恋愛感情を抱けることを
素晴らしいことだと
昔から思っている。

(´ー`)

「僕、親に言うより先に
仲のいい、いつもの友達に
話しちゃった。」

もう高校1年生なのだから
母親ではないよな、
と思いつつも
“バカにされたり
しないだろうか?”
と少し不安に思った。

けれども
息子の中1の時からの
親友のユウジロウは
息子の告白に
「覚悟がいたよね?
話してくれてありがとう。」
と言ってくれたそうだ。


「あのね、好きになるのが
男だろうが女だろうが
そんなことはどっちでもいいの。
親が子どもに願うことはただひとつ。
事件や事故に巻き込まれることなく
天寿をまっとうして、死ぬ時に
自分の愛するパートナーに手を
握られて幸せだったなぁって
この世を旅立ってほしい。
ただそれだけだよ。
(↑ひとつじゃないじゃん!)
だから、太郎のことを
大切にしてくれる人じゃなきゃダメ。」

その日の朝は、
そんなことを言って
息子を学校へ送り出した。

母子家庭ではあるけれど
今の今まで皆んなで愛して、
大切に大切に
育ててきた生命だ。

パートナーにも息子を
大切にしてもらいたい。

( ˘ー˘ )
( ˘ー˘ )
( ˘ー˘ )

そして翌日。

天気が悪かったので
息子を学校まで車で
送って行った。

いつも車で送って行く時には
私は運転しながら
UVERworldを熱唱している。
なので息子は助手席で
寝ていることが多いが、
この日は違った。

前日の告白を聞いてからの
素朴な疑問を息子に
ぶつけた。

「ねぇ、自分が“バイ”だと
わかったってことは、
何かキッカケが
あったってことだよね?
いつ位からそう思ったの?」

「中1の時かなぁ…。」

「そうなんだ。」

「僕、ほんのちょっとだけ
自分の性別にも
違和感があるんだよ。
なんで男なんだろう?って。」

「ホントに?あっ、そういえばさ、
中1の頃、メイク道具欲しいって
言ってたことあったよね!」


息子は思い出したように

「あー、そんなことあったね!」

と笑った。
そして、息子の話は続く。

「僕ね、今好きな人がいるんだ。」

うわぉ!恋話っ!!!
(*≧∀≦*)
と、私はがぜん盛り上がり、

「うわぁ!いいじゃん!いいじゃん!
素敵じゃない!!」

と言うと息子は言った。

「あのね、相談してた
相手の人を
好きになっちゃったんだ。」

(@▽@)
(@▽@)

ま、まさか、
“ゲームのチャットで知り合った
ゲイの人”!?(°▽°)
異世界の住人!?

ありがち!
ありがち!!
相談しているうちに
相手を好きになってしまう
シチュエーション!!
男と男、女と女、男と女!!!
そんなことは関係なく
お金の相談以外の
“相談”は恋愛を招くってことだ!!
(↑あれ?昔、こんなネタ書いたかも)

逆に言えば、
狙った獲物にはお金以外の
相談をもちかけろっ!!
ヽ(´▽`)/
(↑最低だなっ!)

あー。興奮する!!
息子の恋話でこんなに
ウッキウキになれるだなんて
なんて平和な女なのだ。

「ただね、その人、
僕より17歳年上なんだよ。」

(°▽°)

「17歳年上〜っ!?」

(@⬜︎@)

ふぁ、ふぁ、ファザコン?

(°▽°)

いやいや、それよりも
なによりも
何かコトが起こったら
もはや犯罪。

(°_°)

「その人ね、32歳なの。」

オーマイガッ!!
オーーーーマイガッ!!!!
ウォーーーオマイゴッ!!!!
(↑Oh My God!と言いたい。)
(@⬜︎@)

人を好きになるのに
性別は関係ないと思うが、
年齢は考える。

20歳で17歳年上の人と
お付き合いするのとは
ワケが違う。

今年の夏が過ぎて
ようやく16歳になる息子と
32歳の大人の男性は
もはや何かあった時に
周りが警察に通報すれば
相手はたちまち性犯罪者だ。
(O_O)

相手、高校生じゃないんかーーいっ!?
:(;゙゚'ω゚'):

まさか、もうどうにか
なったわけではあるまいな!?
(↑んなワケない。)

「会っちゃダメだよ。
もし、何かあった場合
相手が逮捕されるからね。」

「うん。わかってるよ。
僕、その人に“好きです。”って
言ったんだ。そしたらね、
“君が大人になったら
会おうね。”って言われたの。」
(↑チャットでね。)

告るのはやっ!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

女の子には告白した事がないのに
異世界の住人には
クイック攻撃!!( ̄◇ ̄;)

異世界の住人が
良心のある人で良かった。
大人の対応をしてくれて
本当に良かった。
胸を撫でおろす。
(´ー`)

「いい人だねぇ。すぐに
“会おう”なんて大人は、
太郎のことを
大切にしてくれない人だからね。
ちゃんと見極めてね。」

「うん。…あー、僕はもっと
早く生まれて来たかった!
そしたら、もう会えてたのに。
僕が大人になるまで
あと5年もある!」

恋する少年に
5年は長いかもなぁ。

実世界で他に好きな人が
出来るかもしれない。

けれども本当に5年間
会うのを我慢して、
大切にその気持ちを
育てる事が出来たなら、
それは恋というより
もう愛に近いのではないか?

でも…

「ねぇ、でも、会った時に
こーんなだったり、
こーんなだったりしたら
どうするの?」

↑渋滞中で車がとまっていたので
手で顔をグニュッとしてみせたり
腕を広げてみせたり
外見のことを例えて見せた。
(↑イジワルっ!)

すると息子は、

「そんなことでは気持ちは変わらない。
僕は外見で人を好きにはならない。
大切なのはここ…。」

と自分の胸を掌で
そっと押さえて

「心だよ。」

とキッパリ言った。
思わず顔をジッと見て

「…いい子に育ってるねぇ。」

と言ってしまった。
自分の息子なのに。
(・∀・)
(↑どんだけ〜っ!)

(・∀・)
(・∀・)


恋する息子は
毎日楽しそうだ。

異世界の住人と
やり取りしたあとは
鼻歌が聞こえてきそうなほど
表情が浮かれているので
すぐにわかる。
(゚∀゚)


バイでもゲイでも
大した問題じゃない。

ひと昔前までは
性的マイノリティーは
白い眼で見られることの方が
多かったが、
今は先駆者が頑張ってくれた
おかげで、少なくとも
若い世代には
差別なく受け入れられる
環境になってきた。

今の時代に生まれて
良かったんだよ息子、
と思う。

コレが昭和だったら、
誰にも言えずに
それを悩みとして
抱えていかなければ
いけなかったかもしれない。

大切なパートナーが出来ても
その存在をひた隠しにして
生きていかなければ
ならなかったかもしれない。

…いや、もしかしたら
今の時代でさえ
社会に出れば
白い眼で見られることは
あるかもしれない。

でも、その都度
傷つかなくていい。
他の人の目に
正しく正しく映ろうと
しなくてもいい。

自分の中にある正しさを
信じて、堂々と
生きていってほしい。

.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:



息子から“異世界の住人”のことを
告白されてから早2週間。

私はなんだか娘を持つ
親の気持ちに近くなった。

お願いだから
まだまだ純潔を
守っていて欲しい。
( ̄ー ̄)

永遠の処女でいて欲しい。
ヽ(´▽`)/
(↑よしなさいっ!)

(↑この間、息子が学校帰りに
買ってきてくれたワッフル。)


※今回の話を書くにあたって
息子の許可をもらいました。

※最後まで読んでいただき
ありがとうございます!!
ヽ(´▽`)/
いつもありがとう。