カメラ雑誌のような写真 | そうべいのブログ

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去年の夏に一ヶ月、ベトナムに行ってきた。
何回目のベトナムだろう・・・。
以前はベトナムへ行っては東京・四谷にあった写真ギャラリー・moleで
写真展をやっていたのだが、そのmoleも今はない。

そろそろベトナム写真をまとめて、写真&エッセイの本を出版すべく撮影に行ったのだ。
何とも甘い考え・・・・この出版不況なのに・・・・。

撮影から帰ってきて写真をまとめて営業に。
まずは旅行関係の本を出している出版社、何社かに行ったのだけど、編集サイドの評価は上々。
しかし、営業の人間は”うん”と言ってくれない。
今どきベトナムを題材では部数が出ないというのがその理由。
「出なくても良い。この私の本を作っておくれ!!」
などというイチ写真人の言うことなど聞いてくれようもなく、あえなく退散。
ならばと週刊誌のグラビアを狙う。

・・・最近の週刊誌はどこも”オネェ~チャン写真”がグラビアのメイン。
主要な週刊誌の中で私が普段読んでいる「週間新潮」だけはオネェ~チャン写真がない。
とりあえず、電話(実はこの時、趣味の魚釣りの最中であまりに釣れないので
その合間に電話したのである。)。

デスクと呼ばれるエライお人が対応してくれ、即面談が決まる。
後日、新潮社へ。新潮社へ行くのは「フォーカス」がまだあった頃以来だ。

60枚の”ベトナム生活写真”とサムネイルプリントした”ベトナム競馬(=オマケ)”の
写真を持って行く。今回は本の出版が目的ではないので気がラクだ。
良ければ即採用。たいした事がなければ即不採用。結果がはっきりしている。

”自賛・渾身の60枚”の写真を見入るデスク様。「う~~~ん・・・・」
「おっ、いいぞ、いいぞ、その調子・・・だんだん良く見えてきたでしょっ!」
と心の中で叫ぶ私。

しばらくして、「そちらの写真はなんですか?」とあっさり。あれっ!?
「ベトナムの競馬の写真です。普段は競馬の写真を撮っているもので・・・」
「・・・・・・これは、面白いっ。これで行きましょう!!来週の月曜日までにどのカットを使うか
ご連絡します。サムネイルプリントはお貸ください。」
へっ、渾身の60枚はなんなの!?競馬の写真何て事ないのに・・・。名刺代わりの
持ってきたようなモノ・・・。即決ですか?

渾身の60枚はじっくりみて、競馬はものの1分で掲載決定。何なのよ?!
デスク様に尋ねてみた。
「60枚の写真はいずれも良いですよ。実に良く撮れてます。ただ、うちの(=「週間新潮」)
グラビア向きではないですね。むしろ”カメラ雑誌の作例写真”的な写真です。」

「ガ~~~~~~~ンッ!」
カメラ雑誌の作例写真のような・・・・・・私の・・・・・・渾身の60枚。
・・・恥ずかしい・・・・。

我々・職業写真人がアマチュアの写真の例えでよく口にする”絵葉書のような写真”と
言われているような気がした。
「上手い写真だけど面白くも何ともない(=無感動写真)」
って事なのかしら・・・。
これって”シロ~~~ト丸出し写真”って事?!そんなバカな・・・・・。

その時以来、デスク様がおっしゃった
「カメラ雑誌の作例のような写真」
というのが頭に響いて離れない。デジタル一眼を使い始めて5年目だが、
まだ自分の中でデジタル写真について模索している部分があったのであろう。
最近になってライカを買い、また銀塩から新たに写真をスタートさせると
硬く心に誓うのであった・・・・。