前歯を修復するに当たって、健康保険で適応なのは硬質レジン前装冠でセラミックは使用できません。


硬質レジンいわゆる樹脂とセラミックでは何が違うのか。


色調の調整、表面の性状、硬度、いろんな点でセラミックが有利ですが、一番重要なのは汚れがつきにくいことでしょう。


樹脂の場合は吸水性があり水分、すなわち口腔内では唾液が浸透していきます。

唾液中には常在菌が多数存在するため、樹脂の中に細菌が入っていくことになります。


前歯はマージン、形成限界を歯肉の頂縁と同じか、歯肉縁下に設定しています。硬質レジンが接するぎりぎりのところに歯肉があるわけですが、このレジンに多量の細菌が入っているため歯肉に炎症を起こす原因となるのです。


後は、セラミックよりもレジンは着色しやすいのです。


先ほどの吸水性との関連ですが、水分が浸透すると同時に色素も入っていくからです。


ほかほか弁当のごはんの容器でカレーライスを食べたとします。あのごはん容器には当然カレーの色が付着しますね。あのプラスチック容器を洗ってカレーの着色は取れるでしょうか?もちろん、無理です。陶器の皿なら水で流せばきれいになり、着色も残りません。



  【 慎重に根の深さを測る……『週にいっぺん、歯の話』 】



《神田錦町歯科・新御茶ノ水駅から徒歩3分》