はい、どうもっ
凛です⊂((・x・))⊃びゅーん
はじめましての方はこちら☆
珍しく激おこ。近況のお話で〜す
知らぬ間に貯蓄が底を尽きていた彼。
会社も勝手に退職し、
少しの間は完全にホームレスをし、
実家に戻った彼。
義母と義兄に立ち会ってもらい、
彼と久しぶりに話す事にした。
義実家に行くと、義母が出迎えてくれた。
大きくなった私のお腹を撫で、
本当にごめんね。
苦労掛けてごめんね。と謝る義母。
控え目で物静かな義母は、
私の実母とは対照的で。
本当なら今頃は、
遠慮しつつも孫の誕生を楽しみにして
くれていたのだろうか…?
リビングに入ると、
ダイニングテーブルに座る彼。
チラッと一瞬だけ私を見て、
すぐに目を逸らした。
貧乏揺すりをしながら、
落ち着きの無い様子を見て、
あぁ、また暴れるんだ。
直感でそう感じた。
『まず何か言う事あるやろ。快。』
一番に口を開いたのは義兄だった。
『っせぇわ』
小さく舌打ちをして、
小さく呟いた彼。
静まり返る部屋。
何から切り出せば良いか分からない私。
静寂を破ったのは、
意外にも義母だった。
『快。いい加減にしなさい。』
『父親になる責任の重み分かってるの?』
そう言われた彼は、
バーーーンっ!!!
思いっきり
ダイニングテーブルの足を蹴った。
テーブルの上のコップが転けて、
お茶が溢れる。
『どいつもコイツもうるさいのー!』
そう彼は怒鳴った。
義兄が彼に掴みかかろうとする。
その瞬間が、スローモーションに見えた。
『なぁ、そうやってすぐに大きな声で
威嚇するんやめぇや。』
自分でも驚くぐらい、
勝手に口走っていた。
一度開いた口が、止まらなくなる。
結局いつも悪いん自分やろ?
気に入らん事があったら怒鳴って、
暴れて、思い通りにしようとする。
思い通りにならんかったら、
無視したり、家出したり逃げ続けて。
結婚しようって言ったのも、
子供が欲しいって言ったのも自分やで。
黙って仕事も辞めて、それも私のせい。
ずっと辞めたい辞めたい言ってたやん。
これで私が仕事辞めてたら、
私もこの子もどうなってたんよ。
自分のやってる事分かってる?
大人のする事じゃないやろ。
いい歳こいて現実から逃げて回って、
実家に間借りさせて貰ってる身で
お義母さんに対する態度も何なんそれ。
別れたいんやろ?
じゃあ慰謝料と養育費払ってな。
最低限、自分のケツは自分で拭いて。
義兄が彼の隣に居ることに甘えて、
言いたいことを全部ぶち撒けた。
『調子に乗りやがってこのクソガキが』
そう言って彼が立ち上がったのを、
義兄が羽交い締めにする。
真っ赤に充血させた目を見開いて、
彼は私を睨み付ける。
義母に促されて、私は席を立つ。
リビングを出ようとする私に彼は叫んだ。
『お前も子供もどうでもええんじゃ』
『勝手に妊娠しやがって』
『お前が浮気してんのは知ってんのじゃ』
またか。
思わず振り返った私に、
彼を羽交い締めにしている義兄が
静かに首を振り、
顎でリビングを出るよう促す。
義母も私の後を追ってリビングを出る。
一旦、車で待ってて欲しいと言われ、
自分の車に乗り込む。
どのくらい時間が経っただろうか。
私の車の窓をノックしたのは、
警察だった。
『凛さんですね?お話聞かせて下さい。』
そう言われてパトカーの後ろに乗る。
人生初のパトカーだ。
『ご主人について教えていただけますか』
私がリビングを出てから、
義兄が彼にブチギレたらしい。
彼は義兄に手を出し、
義兄と義母を殺し、凛と子供も殺す。
と言い義兄を殴り付け、
家中の物を投げる蹴るをした後、
俺が死ねばいいんやな。
と言ってキッチンから包丁を出したと。
義兄が包丁を取り上げると、
再び暴れ始め、義兄も手を出し、
リビングに血飛沫が舞った。
このままだと本当にどちらかが死ぬまで
終わらないと思った義母が、
警察を呼んだとの事だった。
私はこれまでの彼との生活を、
洗いざらい話した。
彼は精神異常を起こしていると思う。
そう伝えた。
義実家と駐車場が少し離れていたので、
私からは見えなかったけど、
義兄は病院へ。
彼は警察署へ。
既に義実家を出ていると聞いた。
一通り話終わると、
今住んでいる管轄の警察官に、
全て引き継いでおく。
と言われた。
万が一、彼が来た時は対応せずに
すぐに110して下さい。
そう言われた。
警察が介入した事で、
正直ホッとした。
だけど、心の奥の方では、
もう本当に戻れなくなっちゃった…
そう思った。
本気で殺されるかも知れない。
生まれて初めて感じた恐怖。
その日、私は一人であのマンションに
帰ることが出来なくなった。
誰かと一緒に居たい。
だけど、誰とも会いたくない。
そんな矛盾がひしめき合う。
実家の両親には、何も伝えていない。
安定期に入ったら知らせようと思い、
何だかんだでタイミングを逃して、
妊娠している事すら伝えていない。
迷いに迷った結果、
高速で1時間の距離に下宿している
大学生の弟に連絡した。
就職活動で忙しいだろうに弟は、
突然の私からの連絡に驚き、
『すぐ行く。』
そう言ってくれた。
弟を頼ったのも、
人生で初めてかも知れない。
コンビニに寄って食料を調達し、
自宅に帰って同僚に電話をする。
同僚は黙って話を聞いた後、
『弟来るなら俺も行くわ。』
と言ってくれた。
同僚とはいえ、既婚者である身の人間が、
自宅で異性と2人っきりは具合が悪い。
この時はまだ、
同僚が来ると言った訳を知らなかった。
続きます


