お分かりいただけたであろうか。
これは
親指ではない。
まぎれもなく、
人差し指。
太くても
短くても
人差し指。
私はずっと前から
この短くて太い指が嫌いだった
ちなみにこれが
小指
血筋なのだろう。
女性らしく細く長く
しなやかな指になったことなど
人生の中で一度もない
ただ、
よく働いてくれる指だった。
感謝している。
私自身、自分の手の器用さに助けられたし
手を使う仕事にも就いた
この不恰好な手は
それはそれは、
これが役目とばかりに
よく働いてくれた
だが、
いや、だからこそなのか
歳をとり、
1番先に悲鳴をあげた
へバーデン結節
薄っぺらいものは掴みにくくなり
日増しに痛みも増す
どこの病院にいっても
「じょうずに付き合っていくしかない」とのこと。
50代で30%、80代で60%が発症する
珍しくもない関節症で、
とりたてて騒ぐようなことでもない。
それはもういい。
もう仕方ないさ、
肥満やコーヒーをやめるとか、体の内側から治すとか、なんとか、、
違う、
私が痛いのは
そこじゃなくて
最近よく思い出すのだ。
あー、
あの時、
今は亡き母が
ペットボトルの蓋をあけるときに
歪ませた顔
私は
それを視野の端にとらえ
大袈裟に・・・と、
鬱陶しく感じたんだ
その時私は
どんな顔をしていただろう
私のその表情に
母は気づいていたんだろうか。