Q「新築住宅中心の建築業を営んでおります。

少人数で固定費をかけずに努力しておりますが、

思うように利益が出なくて困っております。

どのような改善策があるかアドバイスして欲しい。」

 

A「工事ごとの「原価管理」を徹底して行うことで利益を確保できる

ようになります。予め利益と原価を予算化して、予算を超過

しそうな費目をチェックして、現場経費を見直すことです。

そして、工事終了時には、原価を予算内に納めることです。

毎月の請求書で原価を把握していたのでは、赤字の発見

が遅れます。これでは赤字を工事完了までに取り返すこと

が難しくなります。

原価管理の成果を上げるためのルールは下記の通りです。」

 

(1)着工前に目標利益(予算)を決めること

財布の中身を知らないと、欲しい物をついつい買ってしまうもの

です。

工事ごと目標利益を知らなければ、原価管理はできません。

利益は工事が終わってみないと分からないでは困ります。

 

(2)いつでも最終原価を予想できること

常に最終原価を予測していれば、早めの対策も可能です。

現場担当者が予測した最終原価をすぐに経営者が確認できる

原価管理システムの導入等の仕組みが必要です。

 

(3)常に現場の改善を考えること

原価の悪化が予測できれば、早めに改善策を考えることが

可能です。改善策を考える際は、施工業者仕入れ先など

できるだけ多くの人の知恵を借りることが大切です。

 

(4)実行予算と実績を必ず対比すること

工事の実績(歩掛り)はタイムリーに記録します。実行予算

実績を対比して、実行予算の補正次回の予算策定に反映

させます。 

 

(5)増額変更の明確な根拠をつくること 

現場では、契約外の工事が発生することがあります。

ついついサービスでやってあげたい気持ちもわかりますが、

追加工事見積書等を作成して、早めに増額変更の交渉をします。

 

(6)発注や購買の金額を適正にすること

工事ごとの原価と利益は、受注時にほぼ決まっていると言えます。

外注への発注額資材購買額が適正なのか、

複数の見積書を比較する等のチェックが大切です。

 

以上のことを徹底的に実践して、さらに継続することで、

会社全体の工事利益はアップします。

ご武運をお祈り申し上げます。