医療従事者をヒーローに見立てて応援したい気持ちは分からなくもないけど、その善意?が叱責されてしまったのは”医療従事者=独身”…みたいな思い込み(幼稚な発想)が激しい怒りを買ったのだと思います。

30代の医療従事者には小さな子供がいることが多いです。(シングルマザーもいるでしょう。)

医療従事者である親が感染した場合その子供は誰が面倒を見るのでしょうか?

親の感染が発覚したときにすでに子供は濃厚接触者です。

濃厚接触者である子供たちを祖父母に託すことは出来るでしょうか?

無理ですよね。

児童相談所にも断られるでしょう。

40度の熱を出した親がウイルスを家じゅうに撒き散らしながら息も絶え絶えに子供の世話をする…地獄絵図です。

医療従事者は自分の子供を守れないかもしれない不安を背負って、自粛を無視してブラブラしていたかもしれない患者の面倒を朝から晩まで見ているワケです。

その恐怖や憤りはあの漫画家さんたちのイラストの表情には見て取れません。

現在、医療従事者が賭けているのは自分の命だけではなく”家族の命も”です。

医療を仕事にしたのはあくまでも他人の命を助けるためであって自分や家族の命を引き換えにすることは想定外なんです。

好き好んで家族の命を差し出して新型コロナと戦っている医療従事者はたったの一人もいません。

「何がヒーローだよ!ふざけんな」ですよね。

医療従事者だろうがヒーローだろうが生活者なんだって視点が抜けたら幼児向けの絵本です。

「ボクのヒーローアカデミア」がヒットしているのも「スパイダーマン」が面白いのも生活者としての苦労がしっかり描かれているからではないでしょうか?

医療従事者に感謝するなら彼らの抱えている問題にもっと想像力を働かせるのがクリエイターと言う職業だと思います。

想像力が無ければ薄っぺらいステレオタイプの登場人物と使い古された設定とどこかで聞いたようなセリフの組み合わせで作品を作ることになってしまいます。

とは言いつつ自分もそうならないよう日々精進していこうと改めて思いました。