率直な感想は「漫画家の漫画」ではないなぁという感じでした。
私もよくこういう漫画を描いてこっ酷くボツを食らうのですが…
ストーリーに意外性がなくワザワザ他人に語るべき話は100本の中にほぼ無かったように感じました。
これって無料だから詰まんなくてもイイかって言うとそんなことは無くて、無料であっても読者は時間を割いて読んでいるわけで、その読者の時間=寿命の残り時間=命なわけだから「タダで読んでおいて文句言うな」というのはとんでもない命への冒涜なんだと思います。
つまり漫画でも映画でも小説でも雑談でも他人の時間を奪って何かを語るには「語るに値する話」である必要があるわけです。
しかし!
このケースにおいてはその語るに値しない平凡な100日を多くの読者が温かく見守り、惜しみ、振り返り、命の尊さを噛みしめることで、その社会現象そのものが語るに値する意外性のあるストーリーとなった…ハズでした。(作者のサクセスストーリーも込みで)
これは素晴らしいアイデアで勇気あるチャレンジで尊敬に値するものでした。
その画期性を際立たせるためにあえて漫画そのものは詰まらなくさえしたのかもしれません。
でも…でも…最後に作者にもコラボしたミュージシャンにも運が無かった。
広告代理店が最初から仕掛けていたのか途中から参入してきたのか、そこに騙して儲けてやろうという悪意があったのか、それとも純粋に新たな形の感動を皆で作りたかっただけだったのか、その答えは関係者の心の中にしかないことだと思います。
だからそのことで怒ったり誰かを攻撃したりするのは無意味なことなので漫画の感想も含め私の心は完全に「無」です。