近年、IT業界でも女性エンジニアの需要が高まってきています。
しかし、男性の比率が9割程度を占めているのがエンジニアの実情であり、企業としてはなかなか女性を獲得できずに喘いでいる場合も多いのが現状です。男性でも十分に人材として問題がないケースは多く、現実的には離職するリスクが低いという点で重宝されているのも確かでしょう。
しかし、職種によっては、男女差による適性の違いが顕著になる場合があります。代表的なのは、サービスエンジニアやフィールドエンジニアではないでしょうか。顧客対応や顧客の現場の見回りをしたときに、ちょっとしたことに気づいてサービスをしたり、細かなところまで目が行き届いたりするのは、女性が得意とする傾向があります。
また、女性としての視点が求められる場合もあり、女性向けのソフトウェアの開発やウェブサイトの制作を行っている現場では、男性のみでは十分な意見が得られないことがあるのも確かです。
そのため、女性エンジニアをいかにして獲得するかという視点で待遇を考える企業も増えてきました。ワークライフバランスを女性にとって整えやすいように配慮することが重要であり、子育てをするときに支援する体制を整えたり、復職後のポジションを用意したりする工夫が行われるようになってきているのが現状です。ワークライフバランスについては、個人によって考えが異なるので必ずしも適切にマッチングができているわけではないものの、その恩恵を受けて働いている女性も増えてきているようです。

IT業界では、男女による区別がほとんど行われていません。
昔ながらの大手企業なら、出世をするのは男性ばかりで、女性はコピーやお茶汲みなどしかできないケースもありました。今でもそうした古い体質を引きずっている企業は数多いです。
しかし、IT関連の仕事はスキルがメインになるので、仕事さえこなしてくれるならば男性であろうと女性であろうと、経営者も上司もさほど気にはしません。むしろ、グラフィックやデザインの世界のように、女性の強みを活かして活躍できる場がいくつも用意されています。
したがって、選択肢の幅が広いことが逆に大きな悩みになって立ち塞がるケースも見受けられます。
どういったタイプのエンジニアになるのかは、就職の段階ですでにある程度は決まってしまいます。将来のビジョンを大学卒業時に明確に描けている人でないと、決断をするのは難しくなるわけです。
多くの方は、運に任せています。とりあえず受けられる会社の受けられる部門に挑戦をしてみて、内定がもらえたらそこに行くというスタイルがメジャーです。
IT業界は幸いにも転職が比較的しやすい業界なので、もしも間違った決断をしてしまったとしてもやり直せないことはありません。20代のうちならいくら転職をしても、デメリットにはなりにくいです。
ですから、迷うぐらいなら思い切ってその時点でベストだと思う会社に入ってみるのがいいでしょう。仕事はやってみて、始めて面白さが分かるケースが多いです。
しかし、いくら男女の区別が無くなってきているとは言え、実際に働きだしてみると女性特有の問題にぶつかることもあります。
そんな時は、『女性エンジニアのキモチ』(URL:http://feelengineering-woman.com)というサイトなどを見て、その解決法を探ってみるといいかもしれません。