ルールを恣意的に運用しつつ、「ルールだから…」という。
「ルール」だとか「正義」だとかいうものは、ひとを攻撃しやすい形をしている。そういう側面がある。まったく容赦なく攻撃しながらも、それについてまったく後味の悪さを感じなくて済むという機能までついている便利な武器だ。
あのとき起こったちょっとした問題について、どう解決するのが正解だったのかは俺にはわからないけれど、やたらと「これは大変な問題だ」「許されないことだ」と、普段は守る気もない原理原則を持ち出してきて、それをもってして処分を下そうと画策した者のあの顔を、忘れてはならない。
たぶんあれは、「原理原則を守らねばならない」という意識が働いたわけではなく、「自分に火の粉がかかる前に処分してしまわなくてはならない」という、あるいはもっと残酷に、「ひとを処分してみたい」という気持ちが動いただ のかもしれない、と想像している。
あの顔を、忘れてはならない。
俺自身が、あの顔を被らないために。
おわり