ラップはどんどん落ちていく一方となった。

辛く長い一番通りをトボトボ走る。

沿道の声援がとても嬉しいのだが笑顔で応えることができず、申し訳ない気分だ。


相変わらずの胃の不快感であったが、ふとコーラが飲みたくなった。

水やスポーツドリンクだと吐きそうだけど、甘味の入った炭酸飲料なら気分も少しラクになるかもと思ったのだ。

自販機でコーラを買おう。


しかし、ここで「胃薬不携帯」に続くもう一つの失敗に気づく。


お金を持っていない・・ (´□`。) 


ウエストポーチに入れるかどうかスタート前に迷ったが必要ないと思って置いて来てしまったのだ。

自分のアホさにいいかげん呆れてしまったが、ないものはしょうがない。

さらに元気なくトボトボ前に進む・・ すると奇跡が起こった。


なんと100mほど進んだところにコーラのペットボトルを持ってランナーに手渡している男性がいるではないか!!

おおー やったぞ!

すぐさま駆け寄り、「一杯ください!」と叫ぶ。

コップが使いまわしのものしかないようだったが、そんなことは構わずご馳走になる。


うまい・・ (*^o^*)


少し生き返った。

まだツキは残っていたようだ。

親切な男性に丁重に礼を言ってその場を離れた。


ようやく一番通りが終わり、コースを右折。

34キロすぎに再び「ねっとらん札幌」の給水ポイントがあったが、コーラで満足していたため(笑)声援に頭を下げて通過。


その直後、背後から走友おまちゃさんに対する大声援が聞こえた。


○○~ がんばれー!!


○○~ もう少しだぞ!!


行け!行け! ○○~!!



すごい大きな声。

おまちゃさんの仲間の熱い声援にこちらまでジーンとしてくる。

すぐ近くに走友がいることが分かり、嬉しかった。

おまちゃさんもこのまま粘れば初完走できるだろう。

これまでのことを思い出し、ちょっとウルウルきてしまった。


31キロ~35キロ

6:24-5:53-6:43-6:21-6:11=31:32 (3:14:45)



新川通り~石山通りに入った。

かなり脚も疲れてきていてバランスの悪い走り方になっているのが自分でもわかる。

所詮、自分の実力はこんなものなのだと思った。


そんな落ち込んだ状態のところを沿道にいた知人に写真を撮られていた。



うつむき加減でヨタヨタ走っているところだ。

悔しいけれどこの時は、これが精一杯だったと思う。


その後、ボーッと走っていたら「ままさん」に抜かれた。

昨年は34キロで今年は37キロで・・ 2連敗である・・ (>_<)

ままさんはレース終盤とは思えぬほどいいペースだ。

すばらしい粘りに感心した。


こんな弱った状態であったが完走だけは絶対に諦めなかった。

今年ダメだったら去年の自分に申し訳ないと思った。

あの痙攣しながら走った苦闘はこんなものではなかったから。


目の前で何人もランナーが歩きだしたり道端にしゃがみこんでいる。

見ていて切なくなってくるが、じわじわと前に進む。


大通6丁目、40キロ関門が見えた。

去年は50秒前・・ 今年は・・?


36キロ~40キロ

5:24-5:24-7:47-5:32-6:17=30:24 (3:45:11)


2分49秒前・・ 何とか通過。


一気に気が抜けた。



(つづく)