1年報告会に向けて、レポート作成やプレゼン作らなきゃなーと思いながら過ごす日々です。
相変わらず、ガーナ人に翻弄され、まじめに活動しようと思えば思うほどへし折られます。。。
この1年、自分がなにやってきたんだろう、何ができたんだろうと考えながら、それを言葉にしていくと、きれいごとみたいな気がして。妊婦が健診にくるようになったとか、自宅出産が減ったとか、実績としては残っても、それが、本当に村の人のためになっているのかって考えると自己満なんじゃないかって悶々としたりします。ミレニアムゴール(途上国の状況を改善させるための取り組み)とかのせいで、数字を改善させることばっかり考えているガーナ人みたいに自分もなってる気がします。数字が改善されても、実際の中身がかわってないと意味ないのに。村人たちが、自らその保健サービスが必要だって理解して、受けたいと思って受けなきゃ意味ないのに。今は、医療者に言われたから来た、なんで来なきゃいけないかは特にわからないけど、来いって言われたからとか、何されているのかわからないとか。言われたから来て、受診率が上がっても意味ないよ。
公衆衛生ってそういうもんなんだけどさ。今やったからって、今ゲッキ的な変化を見せるものじゃないんだけど。今、意味あるのかよって思いながらやっている、超地道な活動、たとえば妊娠の届け出を妊娠初期にしてくださいとか、健診は毎月きましょうとか、病院で出産しましょうとか、新生児健診にきちんときてくださいとか。きっと、お母さんたちからしたら、別に健診いかなくても、今まで無事出産できたしとか、家でも元気な赤ちゃんが生まれるから病院に行く意味なんてないって思うだろうし、新生児健診なんかのために外出するより伝統的な儀式のほうが大事って思うと思う。でも、気づいてくれなくていいから、いつかその行動が当たり前になって、すべてのお母さんとあかちゃんが元気で健やかに育っていければいいな。
そんな中、あるドラマを見てなんだか自分と重なったので、紹介します。
日本にいたときにもやっていた「JIN 仁」というドラマ。かなりはまっていました。その時も、なんかプライマリーヘルスケアみたいな感じがして、国際協力活動するうえでも参考になるなって思ったりしながら。そのシーズン2が去年放送されたようで、ぶっ通しで見入ってしまいました。
大沢たかおが医師役で、ひょんなことから江戸末期にタイムスリップしてしまう。そこは、現代の日本の医療とはかけ離れたレベル。それでも、そこにあるものを使って、現代の日本の医療の知識を駆使しながら患者を治療していく。その世にはあるはずのないもの、たとえばペニシリンや点滴、輸血の方法、外科的オペなんかを取り入れていくことで、助かるはずのない人が助かっていく。仁は、歴史的に名を残す、坂本竜馬などの偉人ともかかわり、自分の行為のせいで歴史が変わってしまうんじゃないかと思いながら、自分のしていることに意味はあるのか、いつか自分はここからいなくなってしまうかもしれないという不安ももちながら、今、自分のできることをやっていく。
最近1年たって、ガーナ人のいろんな面をみて、現状に大満足していて、この状況を誇りに思っているこの国はこれ以上よくなるのは難しいんじゃないかって思った。私なんかのレベルで何ができるんだろって思った。でも、このドラマを見て、このちぐはぐな発展をしているガーナと、まだまだ改善する余地だらけのガーナに、時間はかかってもちょっとずつよくなってほしいと思った。
江戸時代の人は、今の日本の医療技術を見たら、ぶったまげるだろう。人の腹や頭を切って、できものをとりだす。マウスで薬効を実験する。得たいの知れない液体を、針と管を通して体に注入される、他人の血を自分の体に入れる。ガーナでも、村人はいくら携帯を持っていようと、江戸時代の人と同じくらいな感覚で、衝撃を受けるんだろうなって思う。でも、ハイテクな治療だけがすごくて必要とされているわけじゃない。やっぱり、その人の尊厳が保たれないと。人がどうしたいって思ってるのか意見をきちんと聞かないと。でも、言葉の壁は大きくて、私がコミュニケーションとるのは難しいから、ガーナ人スタッフにそのへんわかってもらいたい。当時は、脚気(ビタミンB1不足)も結核も不治の病。今は、いくらガーナでもきちんと治療薬がある。つまり、きちんとその病気を見つけてげれれば、そんな病気で死ぬ人はいないはず。だから、当たり前のことだけど、今のガーナは江戸時代よりずっと発展していて、保険もあって、医療技術も、薬もあるほう。なのになんでってなかなかよくならんだろうと思って。
やっぱ、ガーナはさ、支援とかでものを与えられすぎて、薬にばかり頼りすぎて、ものがないってなったらできないって。村人は病気になってから治せばいいっておもってる。
そこが問題。今は、まだみんな気づいてないかもしれないけど、いつか10年後20年後くらいに、誰もが当たり前に妊娠届をして、健診を受け、病院で出産をし、新生児健診もちゃんと受けられるようになったころ、赤ちゃんや妊婦さんが全然死なないっていう世の中になっていればいいなー。日本みたいに。
だから、大切なのは治療じゃなくて、予防なんだって!医療を受けることより、教育を受けて自分自身が最低限の死なないための知識をつけることが大切なんだって!
この1年は、村人が医療者なしで生きていけるように、村人自身に知識をつけてもらうべく奔走したいと思います!
ガーナが日本みたいになる必要はないと思うけど、生きられるべき人が死なないでいいように。