よかった。二回試験合格だ。
直道は、ほっとつぶやいた。日本酒を飲みながら合格発表をみていたため、『ほっ』という息が酒くさい。
合格発表というのは、正確ではない。二回試験は不合格者の番号がホームページに掲載される。そこに番号がないということは、合格したということなのだ。
二回試験。司法試験合格後の司法修習のいわば卒業試験みたいなものだ。厳密には、二回試験は卒業試験ではないらしいが、直道を含め、卒業試験と認識している修習生は多いのだろう。
「さてと。いろんな人に合格の連絡をしないと」
直道は、おもむろに携帯電話を取り出し、内定先を含め、修習でお世話になった検察庁や裁判所に連絡をした。もちろん、内定先にも。
社会人経験がなく、法律事務所への就職が社会人デビューの直道にとって、内定先の法律事務所がどのようなところかは気になっていた。
続く
