『ペットのおうち』で応募したのはヘーゼルアイの黒猫だった。

 

 

病気もなく元気、何より黒猫は全体的に人懐っこいという評判もあり、せっかくだから黒猫に会ってみたいと思い応募した。

 

そして実際に行ってドアを開けると、自分の想像を上回る人懐っこさですり寄ってくる猫がいた。

これが、現在譲り受けたうちの一人目である「おかゆちゃん」だった。

※写真右側

聞いた話では、過去に大けが患ったところを保護し、今は回復して元気になったそうだ。健気としか言いようがない。これ絶対幸せにしてあげないといけないと思った。

そして帰宅後も印象に残ってしまったので、この時点ではおかゆちゃんだけを考えていた。

 

そして連絡をしようと思ったタイミングで、もう一つの提案として紹介されたのが、現在譲り受けた二人目の「ムサシちゃん」だった。

※紹介の際は、母の意向である「大人しくて爪切りをさせてくれる猫」の条件を満たしているという内容だった

どうやら引っ越しがあったらしかったことと、このしょんぼり顔を見て、これ絶対放っておけないし幸せにしたいと思い、最終的にはこの二人を決めた。

 

トライアル直前に課題もあった。

 

おかゆちゃんはマイコプラズマで目を患っており、ムサシちゃんは4本抜歯しているとのことで、症状のケアはしっかりすること。

 

また、これまで母の希望で野良(トラちゃん)を直接飼ったり、ペットショップで三千春を飼ったりしたこともあったが、これまでは自分でネットで調べることはあっても基本自由だった。

しかり里親となるとこれまでの経験が役に立たなかった。

 

脱走防止柵を敷設したり、ゲージやトイレをそれぞれ用意したり、トイレやフードもこれまでと同じものに合わせるなど、引き継いで面倒を見るというスタイルになる。

 

よって年末の大掃除は猫部屋や環境道具1式、周辺の脱走防止柵の敷設など、初期費用は当初予想していたよりも面白いくらいに跳ね上がった。※以下敷設前の状態

 

 

しかし、この二人のこれまでを考え、絶対幸せにしたいという強い願いは、収入が決して豊かではない派遣社員の金銭感覚を吹き飛ばす破壊力はあった。

 

何より、これまでは母が飼いたいというパターンだったが、今回は自分が初めて飼いたいと思ったことも後押しした。

 

―明後日、そんな先のことはわからない―

装甲騎兵ボトムズ『第8話「取引」』予告より