君はまだ覚えていますか?

あの遠い夏の日の事を


いつもの様に期待を裏切られる出来事

賑やかな場所が場違いに感じてこっそり抜け出した夜


ふたり以外誰もいない初めて通る真っ暗な山道

大きな車輪と小さな車輪


不安でいっぱいだけど言葉にするとくじけてしまいそうで黙ったまま必死でハンドルを握りしめた


心が泣いてるけどそんな素振りは見せない


私は何度も振り返る


君は真剣な眼差しで小さな車輪をこいで 

私が振り返る度にホッとした顔をしていた


そのうち君は下る急な坂道に耐えられず転んでしまったね


私が駆け寄ると痛みをこらえ空を仰ぎ見た君の目が輝いた


鬱蒼とした木々の隙間から見えた満天の星達


君の瞳にも星たちが映ってる


世界が止まった


まるでふたりを祝福しているよう


しばらくして起き上がり 下る坂道を楽しんだね


それから何年かして君は世界を完全に閉じてしまった

厚い雲がかかる暗闇の中を彷徨っているのだろうか 

雲の向こうに何があるのか忘れているのかな


思い出して

あの夏の夜のように 暗闇の中にいる君を輝く星達は見守っている