父親の匂い
私の父親は
自衛官でした。
演習や当直で家を留守にする事も多く、あまり父に遊んでもらった記憶がありませんが、演習から帰って来ると必ず
「乾パン」と
「缶詰めの五目ご飯」を私にくれる父。
日曜の当直には、朝からたくさんのおにぎりを母親がにぎって、それを駐屯地へ届けに行くのが楽しみだった私。
駐屯地の門の所で、父が必ず待っていてくれて、私も一緒に駐屯地の中へ。
当時、瓶コーラの自動販売機が中にあって、それをご褒美に買って貰うのが嬉しかたぁ。
お酒好きな父親は、よく若い隊員さんを家に呼んでは楽しそうにお酒を飲んでいました。
私も当時は小学生で、その若い隊員さん達に可愛がれて。
そのうちの何人かが北海道へ転勤する時は父と一緒にフェリーで見送ったなぁ。
私は朝、父が半長靴(はんちょうか)の紐を器用にヒョイヒョイとクロスに掛けていく姿を見るのが好きで。
5時過ぎに帰って来る父が今度は半長靴の紐をパパっと外していく姿も「お~!!」って思いながら見ていました。
そして、半長靴の紐を外す時の父親の戦闘服の匂いが私が思う父親の匂いです。
今でも忘れず残っている父親の匂い。
自衛官に誇りを持っていた父親
自分が上へあがる事より、若い人達の事を優先に考えて、その人達の為に上の人とケンカもしたらしい。
父親の葬儀には
あの頃よく遊びに来ていた隊員さん達が来てくれました。
中には定年を迎えた人、未だ現役で頑張っている人。
懐かしくなりました。
父の自衛官仲間が、申し出てくれて、亡くなってからですが、自衛官時代の功績として国から勲章を戴く事が出来ました。
その時に始まって父親がどれだけ自衛官時代に頑張っていたのかを知りました。
我慢強く、人の為を優先にしていた父親。
50代で脳内出血で倒れ、左半身不自由な生活を送っていましたが、きっと本人は一生自衛官として生きていたんだろうなと思います。



