入所中の女性の

娘さんが

久しぶりに来所されました。

 

少し遠方にお住まいなので

2-3か月に一度くらいかな、

それでも

熱心に面会に

来てくださいます。

 

その娘さんが

「母の認知症、

かなり進んだんでしょうか」

とおっしゃいます。

「そうですか?

ゆっくりは

進行しているかもしれませんが

特に進んだな~とは

思いませんが」

「でもね、先生。

毎週、面会の人が来て

楽しいって。

先週も誰か会いに来てくれたって」

 

母一人、子一人。

他には親類もなし。

お母さんのところには

娘さん以外

面会者はいません。

 

「そうですか。

でも

楽しい幻覚だったら

いいんじゃないですか。

本当じゃなくても

誰かが会いに来たと思って

お母さんが

楽しかった気持ちになってるなら

あえてそれを

否定しなくても

良かったね、でいいですよ」

と申し上げたら

「なるほど、

そう考えればいいんですね」

と笑顔で帰って行かれました。

 

 

悲しかったり

苦しかったりするのは

イヤですけど

楽しかったな~という

幻想は

良いと思いません?

仕事してるわけじゃなし、

すべてが事実てある必要は

ないと思います。

認知症は

神様のくださった

プレゼントと言う方もいますしね。

 

わたしたちの基準にはめず

大らかに

いろんなことを

受け止められたらいいなと

思います。