入所されていた102歳の女性のお話です。
ずーっと家で
娘さんが献身的に
介護されていました。
食事から何から何まで
日常生活のすべてに
介助が必要で
コミュニケーションも難しく
たまに
「ニコッ」
と笑ってくれると
こっちも嬉しくなる、そんな方でした。
娘さんが
お仕事で遠方に行かれるということで
しばらく入所されることになりました。
それまでも
週の半分くらいは
ショートステイで来られていたので
職員も介護には慣れています。
「がんばります!」
と張り切っていました。
でも御年102歳。
寄る年波には勝てません。
ゆっくりゆっくり
お迎えが近づいてきているのが
わかりました。
娘さんに連絡すると
「ここまでがんばったから
どうしても家で見送ってあげたい」
と仕事を切り上げて
戻ってこられました。
施設でお見送りもできますよ、と
お話したのですが
「やはり家で」
と。
老健生活15年のわたしですが
実は「見送るために」家に帰る人は
はじめてでした。
お引き受けくださった
在宅の主治医にも感謝です。
きっと
静かな良い最期になるだろうなあと
思います。