杜氏のささやき
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27BY皆造

今日、平成27酒造年度の最後の1本の酒を搾っています。レギュラー純米酒として使用する予定の60%精米の純米酒です。現在の蔵で、3回目の酒造りがようやく無事終わります。通算16回目、杜氏としては13回目の皆造です。
気温や湿度などの気候、地元の方々の嗜好や食文化、新たな原料米、仕込水、洗米機や甑、麹室・酒母室・酒搾り機などの特性、新たな蔵人、・・・、3年間で色々なことに少しずつ順応してきて、出来上がってくる麹や酒が自分のイメージにじょじょに近づいてきました。
7ヶ月間に渡って酒造りをしてくると、酒職人としての感性はかなり上がってきています。酒造りから離れる夏場も、いつものように家業の建築の仕事で体と感性を改めて鍛えます。仕事が変われば、使う頭も筋肉も違うので、いい刺激がもらえているような気がします。
今期の酒造りが終わったばかりですが、来期の酒造りに使う酵母や麹菌のことをあれこれ考えています。他人の真似ではなく、自分の理想とする酒を造ろうとすれば、答えは自分の頭の中にしかありません。
そのイメージに近づけるために、使用する麹菌や酵母菌の組み合わせ、蒸米や麹・酒母・モロミの状態などをどれだけ事前に厳密に想像しておくことが出来るかが、この冬に造る酒をより美味しくするためには重要だと思います。毎年、毎年、その繰り返しですが、それを繰り返すことで、じょじょに精度が上がってきているような気がしてます。

26BYの初しぼり


明日いよいよ平成26酒造年度の仕込1号の初しぼりをします。
60%精米の美山錦で造った純米酒です。この夏に麹室を3部屋新設していただき、搾り機も新規で購入してもらったので、麹室の香りや床台の木香を抜いたり、搾り機の香りクセを抜くのにかなり手間が掛かりました。
昨年は新たな酒蔵での初しぼりで緊張感もあったのですが、今年は今年で、醸造設備や酒米の違いなどにより、2年目でも落ち着かない感じがしています。
ハードが充実した分だけ、酒質のさらなる向上が求められてくるので、「杜氏は毎年一年生」という言葉を改めて実感している今日この頃。酒造りが心底好きという気持ちがないと、この緊張感は重圧に感じるのでしょうが、杜氏として酒を造ってきた12年間、造っては改善、さらに造っては改善という日々を過ごしてきた経験がプレッシャーより期待感を持たせてくれているのかもしれません。

新たな酒蔵での初しぼり

先日、仕込1号の初しぼりをしました。60%の純米酒でしたが、香りも華やかで、味にふくらみがあり、後切れも良かったので、初回にしてはなかなかの出来の酒になりました。

新たな酒蔵に移籍し、醸造設備や蔵人、気候、仕込水の違いなど、酒造りの環境は大きく変わりましたが、麹作りや酒母・もろみ管理など、酒造りの要点をおさえていくと、なんとなく思い描いていた酒に近いものになりました。

酒造り・特に麹作りは、日々、改良を重ねているところなので、今後、搾っていく酒はさらにイメージしているものに近づいていくような気がしています。
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