トランプ大統領はベネズエラのマドゥーロ大統領夫妻を軍事力を使って拘束するという作戦に出た。作戦は鮮やかに成功したが、国際法違反だという非難を方々から浴びた。ベネズエラはマドゥーロによる独裁政権で経済は低迷し、GDPは2014年から2020年までの期間で74%減少したとされている。約4分の1になったのであり、生活できなくなる国民が増加し、国民の約4分の1にあたる約800万人が国外に逃れたとされる。マドゥーロ政権に反対する人たちはトランプの軍事作戦を大歓迎したという。マドゥーロ政権の経済政策は酷いものであったことがわかる。その結果が800万人の国外逃避である。これでも国外脱出は命がけという北朝鮮よりまだマシである。
 NHKはマドゥーロ政権の反対者が喜ぶ様子はあまり報道せず、マドゥーロ支持者の怒る様子を多く報道したと一部で批判されている。恐らく国際法違反という論調に説得力を持たせたわけであろう。しかし世界の報道はマドゥーロ反対者の歓迎が目立ったようである。
 法や理念を重視する人々にとってはトランプの軍事作戦は許せないものだろう。半面、この作戦によって、まだ結果はわからないが、マドゥーロが政権から離れることによってまともな国になるかもしれないという強い期待が生まれる。もし、国際法を絶対視するならば、北朝鮮の国民に他国のような幸せは訪れることはないだろう。
 法や理念は大事なものだが、それはいつも正しいとは限らない。ケースによっては破ることが正しいこともある。国際法とはこの場合、主権の尊重であろうが、それを厳密に守っていてはベネズエラや北朝鮮の国民には救いは訪れない。世界や社会は複雑であり、単純な法や理念で切り分けできるとは限らない。法や理念に照らして批判することは中学生でもできる。簡単だから、みんなやりたがる。しかしそれでは最良の解決になるとは限らない。破ることが正しいという場合、法や理念の最終目的を考えるとよいだろう。この場合、国際法が最終的に目指したものは主権の保護を通じて国民の幸福を守ることであろう。