7月・8月のお盆に向けてお忙しくされているご家庭も多いのではないでしょうか。

 

お盆に限らずですが、供養物というのは地域によっても違ってきます。

 

特にお盆の時期に仏前に御膳を供えるというのは、一緒に食事の場を共有するという意味があります。

戻ってきたご先祖の御魂が家族や子孫たちと食事の場を共有する。

見えない世界へと旅立ってしまった家族や先祖の御魂との交流として食事という御膳があるわけです。

 

供養物(お供え)として、実際に御魂が召し上がれる物というのは線香の煙と昔から言われています。

日本に限らず各国々でお香を焚きます。

特にアジアの仏教圏では毎日のお香を大切にしている習慣からもわかるかと思います。

 

昔は食事の時間に合わせて線香を供えるという慣習がありました。

 

見えない世界のご先祖様たちの食事は線香の煙を通した神聖な氣を召し上がっているのです。

 

御魂への食事というのは「お香(線香)の煙」だと思っていただければ、どんな線香(食事)を供えるのが良いだろうかと想いながら選ぶ気持ちも湧いてくるのではないでしょうか。

 

逆に頑張って御膳をこしらえずに、自分たちと同じ食事を少量づつ供えるで良いのです。

同じ食事の場の空気感を共有する。そして、仏前で家族が集まり宴会するので十分ご先祖様も喜びます。

 

線香を供える回数は、時代や地域によっても違っています。

農業など肉体労働が多かった地域(私のいる地域)では1日5食だった時代もあり、その名残りでお盆や仏事で5回焚くという慣習が残っていたりします。最近になり段々と1日2回に変わってきています。

江戸時代以降、食事が3回になり、3回供えるところもあったり。

平安時代などの大昔の貴族や上級武士たちは2食が基本でしたので2回だったり。

立場や地域が違うことで慣習が違ってはくるのですが、今は1日2回焚いてお供えするのが一般的となっているようです。

 

以前、ある老僧とお線香の話になった時に「ご供養の時、たくさん線香を焚けば良いってもんじゃない。お食事なのだから腹八分が良い。」という教えを頂きました。

 

朝晩と気持ちのこもった線香を1本焚くというので十分。

無理にこうしなければいけないというものではないので、心持ちで焚かれたら良いかと思います。

 

浅草寺などで設置されている常香炉というのは、盛大に線香が焚いてあり、身体に煙をくぐらすことで、身を清め邪気祓いを行なうためにあります。

 

神聖な空間を維持したいときは盛大に線香を焚くのもいいでしょう。

 

邪気祓いを意識する場合のお香は持続的に焚くのが秘訣です。

亡くなった時に「線香を絶やさないように」と言われる理由でもあります。

 

お盆でお迎えする前に、家の空間清めるのも良いかもしれません。

しかし、邪気の逃げ場がないと留まってしまうので。。

しっかりと換気は忘れずに。

 

それでは

良いお盆となりますように。

 

亡くなりし御魂の安寧を祈り奉らくと白す。

 

本日のご縁に感謝。

お読み頂きありがとうございます。