負け
という言葉は昔から嫌いで、
何時だって勝つまで辞めることが出来なかった。
諦めが悪いと言われたらそれまで。
まだ走りきっていないとだたをこねる。
僕は足掻いた、
心臓の音はまだ鳴っている。

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東京の朝は寒い、
もう3月というのに寒さで手が凍りそうになる。
新宿の東南口のドンキを尻目に歌舞伎町方面へ、
とはいっても初めての場所なのでスマフォのアプリを見ながら複合ビルにたどり着きエレベーターに乗る。
ドアを開けると目的地のネットカフェで、
夜勤明けの店員だろうが、
少し眠そうな顔で、
「いらっしゃいませ、ご利用は如何されますか?」
と聞かれるので、
「ペアシートでフリータイムでお願いします。」
「かしこまりました、当店の会員証はお持ちでございますか?」
「いえ初めてです。」
「そうしましたら会員登録がないと入店出来ないので会員証登録の用紙に記入してもらえますか?」
「どうしても作らないといけないんですか?」
「そう言われましても、規則ですので。」

規則という言葉が嫌いだ、
そういうものは破りたくなるし、
もちろん守らないといけないってもの分かってる、
分かってるはいるんだけど…。

なんて僕が心の中で考えてると、
「今記入したんですけど、これって一人会員であれば二人入れますか?」
「大丈夫ですよ、では確認します。」

僕の肩にトントンと手を叩く僕の連れ。
「アンタこういうの嫌いでしょ?」
「よく分かったな。」
「彼女だしね、ってなに言わせてんのよ」
店員から伝票と会員証を彼女が受け取る。
ドリンクコーナーに寄って苦めの珈琲と甘いココアを持って、D-50へ向かう。