恐縮でした | BEAT

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ENDLESS FIGHTER

先日のことだが、芸能リポーターの梨本勝が亡くなった。
65歳だそうだ。まだ若いのに。

世の中の風潮は、惜しい人を亡くした、という感じになっている。

私はこの死んだら全員いい人、という感覚がイマイチ受け入れられないへそ曲がりである。

梨本さん個人は別だ。
いい人なんだろう。

ただ、この芸能リポーターという仕事が、
私にとって受け入れられない。

芸能人のゴシップを狙い、蛇のように後をつけ回し、
写真や記事をでっち上げて金を稼ぐ。
合法的な強請だ。

合法なのかどうかも怪しいが。

さらには、わざと足を引っかけて転ばせ、その怒った顔を撮影したり、
芸能人の家から出たゴミをあさってみたりする。

自分たちのことを必死に「報道陣」と呼んでみたりするのもこの人達。
こんなもの報道でもなんでもない。

人の恋愛話を必死に追求し、
それを「知る権利」と主張する。

そんなの知りたいか?
知りたい人はいる。
ワイドショー見てゴシップを必死で見て井戸端会議でペチャクチャ喋るおばさん達。

はっきり言って、これがなくなっても誰も損をしない。

芸能リポーター達の座談会では、結局の所そういうえらそうなことを言うが、
突き詰めれば、楽して儲ける芸能人への嫉妬だったりする。

極めて俗っぽい、低俗な、なくて良い仕事だと私は思う。

そんな仕事に生涯を捧げた梨本さん。
この人は自ら表に出ていた人なので、まだ悪質ではないほうで、
最悪なのは顔を出さない雑誌記者とか。

梨本さんだって表に出た時点で公の人。

昔、女の人と食事をしていた梨本さんを見つけ、
ビートたけしが軍団の若手に写真を撮ってこさせたら、
「すいません、プライベートなんで」と断られたらしい。

それは筋が違うとたけしが怒っていた。

今回も、葬儀は家族だけでやりたいから取材はやめてくださいと家族は言っているが、
そう言う人の元にずかずか入っていって、泣き叫ぶ姿を撮ってきた人なのだ。

それは筋が通らない。

いやまてよ、そう言う人だからこそ、
取材に来てくださいという、ダチョウ倶楽部的な誘い水なのか?

そう思ってしまう仕事。
それを生涯を通して突き通したことの意味ってなんなんでしょう?

恐縮です、という言葉を残したことなんだろうか?

良い人生だったのだろうか?
楽しい人生だったのだろうか?
やりがいはあったんだろう。

ふと、こんな時なので梨本さんのことを考えてみました。

合掌・・・


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