12年越しのアイラブユー











Side-S





《11》








おやすみ




なんて




相葉くんを抱きしめて
スヤスヤと寝られる訳もなく

でも相変わらず固まったままの相葉くんに
どうしたらいいのかもわからなくて

相葉くんの呼吸に集中する








もしこのまま寝てしまったら
きっと本当に
俺のことはそういう意味で
接していた訳ではなくて

ただの俺の勘違い




そう納得して
自分に言い聞かせて

ただのメンバーとして
接していくだけ






でも
少しでも俺のことを想っていてくれるなら
素直な相葉くんなら
何かしらアクションを起こしてくれるんじゃないか

なんて

それも俺の勝手な思い込みかもしれないけど






そんな淡い期待を抱いてしまうのは
君の瞳がいつだって優しく
俺を見つめてくるから





狭いベッドの上
呼吸音をかき消すように
衣擦れの音が俺の耳に届く





そっと俺の腕を沿う掌の感触
遠慮がちに俺の指に絡まる指

無意識なのか
意図的なのか





ねぇ
君は本当は俺のことを
どう思っているの?





どうしても俺には
想いが繋がっているようにしか感じない





君が俺を見てくれるなら
俺はいつまでも君だけを想い続ける

言葉にするのが怖いのなら
俺にだけ分かるシグナルを出して





俺の想いが伝わったかのように
絡まった指がまた俺の指を握るから





もう一度
目の前の綺麗な項に

愛を込めて
ゆっくりと口付けた










→ Side-A