「あなたを奪ったその日から」というドラマで子どもの頬の裏を綿棒で拭うシーンがあった。郵送でDNA検査を行ってくれる業者もいるので個人的に確認して納得するならそれでもいいかもしれない。
しかし、戸籍に親子として記録するためには個人的に行ったDNA鑑定では信ぴょう性に乏しく採用されない。採用されるには信頼できる検査機関であること、検体を採取する際に第三者の立ち合いが必要である。
通常は生まれてきた子を戸籍に記録するには14日以内に出生届を出すことになる。14日を超えても出生届を出すことはできる。そして、出生届には出産に立ち会った医師、助産師の出生証明書が必要になる。
自宅で出産してしまった場合など出生証明書が手に入らない場合でも、戸籍に記録するために出生届を出さなければならない。この場合、市町村は法務局に受理してよいか照会を行う。照会を受けた法務局は信ぴょう性を確認するため関係人に事情聴取し資料の提出を求めて、受理すべきかどうかを判断し市町村へ回答する。
さて、ドラマでは誘拐してきた子を戸籍に記録するまでの具体的な手続きまではなかったが、誘拐してきた子の出生届を出すには出生証明書が入手できない理由として、急に産気づいて自宅出産したと言い張るしかない。