【  モーサテまとめ 】


【杉村富生の短期相場観測】 

マーケットはウクライナ休戦を読む!

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ポーランドETFが好人気の理由?


古来「株価は正直だ」とか「株価のことは株価に聞け」などという。

アメリカ市場が抜群に強い。NYダウは10月13日の2万8660ドル(ザラバベース)を安値に、11月23日には3万4262ドルと、19.5%の急騰劇を演じている。NASDAQ市場も切り返してきた。これは何を意味しているのだろうか。

VIX(恐怖)指数は警戒ラインとされる20ポイント割れ寸前だ。WTI原油は1バレル=77~78ドルである。逆に、SOX(半導体株)指数はジリジリと上昇している。これはFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ幅圧縮の方針、OPEC(石油輸出国機構)プラスの増産意向(最大で日量50万バレル)、ベネズエラ産原油の市場投入だけが理由ではない、と思う。

そのヒントは、NY市場のiシェアーズMSCIポーランドETFが商いを伴って上昇していることにある。

ポーランドはかつての朝鮮戦争時の日本のように、ウクライナ復興特需を享受できる、というのだ。ウクライナ紛争の終結? 第2次世界大戦後のマーシャルプラン(欧州復興援助計画)の再現?

いや~、すごい「情報」である。

もちろん、これは「うわさ」にすぎない。ただ、最近の状況証拠を積み上げると、和平に向けての動きが秘かに行われているのは確かだろう。ウクライナ、ロシアともに、ボロボロだ。ロシアの暴挙は許せないが、ウクライナ市民は冬を越せない苦境に陥っている。ロシア兵の死者は激増、戦闘に不慣れな予備役(30万人)の苦戦が伝えられている。

一方、日本市場ではもともとロシアとの関係が深い総合商社が堅調だ。
8001伊藤忠商事  [東証P]、
8002丸紅  [東証P]、
8031三井物産  [東証P]
は上場来高値である。
8058三菱商事  [東証P]は上場来高値圏だ。
配当利回りの高さに加え、外国人が買っている。しかし、それだけではないような気がする。



メガバンクの活況は日銀総裁人事を先取り!


半導体関連の
6920レーザーテック  [東証P]、
8035東京エレクトロン  [東証P]、
6526ソシオネクスト  [東証P]、
6337テセック  [東証S]、
6614シキノハイテック  [東証S]
の人気は衰える気配がない。
6125岡本工作機械製作所  [東証S]のPERは7.1倍、テセックは9.3倍と出遅れている。

個別銘柄では
9553マイクロアド  [東証G]、
4165プレイド  [東証G]、
4485JTOWER  [東証G]
が上げ足を速めている。
マイクロアドは大株主の9719SCSK  [東証P]と協業のデータソリューション事業が急成長の見通しにある。将来的に、業容一変となろう。

8306三菱UFJフィナンシャル・グループ [東証P]、
8316三井住友フィナンシャルグループ  [東証P]、8411みずほフィナンシャルグループ  [東証P]
の値動きが一変している。
これはポスト黒田(次期日銀総裁人事)を先取りしたものだろう。来年4月以降、金融政策は転換され、金利上昇→円高となる。

外国人の日本資産買い漁りは超割安のほか、為替差益を狙った行動だろう。彼らは再編の思惑もあって
8345岩手銀行  [東証P]、
8367南都銀行  [東証P]、
8366滋賀銀行  [東証P]
などを買っている。有配だし、その地域では名門である。資産を持っている。アクティビスト(物言う株主)のターゲットになり得る。





2022年11月25日 記
株探ニュース(minkabu PRESS)