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黒い森の中でね、

ちっちゃな芽が出たんだって。


気づいてほしくて

育ててほしくて

守ってほしくて


声をあげて泣いたんだって。


めいっぱい叫んだんだって。



そしたらね、

森のみんなが言ったんだって。


『うるさくって眠れないよ』

『やかましいったらありゃしない』



日が沈んで

月が出て

また日が昇って来た頃に、

ふいに風向きが変わったら。


叫び声が戻ってきたんだ。

泣いて叫んだ言葉が全部。

風に乗って戻ってきたんだ。



耳をつんざくょ。

鼻が曲がるょ。

花が枯れるょ。



気づいてほしいと思うこと。


そんなに泣いて、

そんなに叫んで、

そんなに吠えて、



一体何に響いたのだろう。


声枯れ。花枯れ。

そうして遠のく。


怖くて怖くてまた叫ぶ。

行かないで

また叫ぶ。。