東日本大震災から10ヶ月経ちましたが、福島原発の事故の影響は今も続いています。
マスコミで多く取り上げられた「放射能」。
日本はこれまで、火力、水力、風力などの自然エネルギーを使用しながら、一方で原子力発電というリスクの高いエネルギー源を安全神話のもと、導入してきました。
地震大国の日本において、その安全の根拠はどこにあるのかという議論は今することなく、知識を深めて、ここでは健康知識を高め、その賛否の議論は、第三者にゆだねます。
ちょっと振り返って、放射能とはどんなものか学びたいと思います。
原発事故により、水道水や食品から放射性物質が検出されたことは周知の事実。
消費者庁において、食品などの安全と放射能について疑問などわかりやすく説明しています。
~~放射線、放射能、放射能物質?~~~
・放射線とは。
放射線は、物質を透過する力をもっていて、光線に似たものです。α線、β線、γ線、x線、中性子線などがあります。
・放射能、放射性物質とは。
この放射線の出す能力を「放射能」といい、この能力をもった物質を「放射性物質」といいます。
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ニュースでみる放射能漏れとは、放射線物質漏れということになります。放射能を出す「放射線物質」が原子力施設の外部に漏れることであります。
その影響についてみてます。
人間のからだは、多くの細胞からできています。健康な細胞は、細胞分裂を繰り返していますが、一度に大量の放射線を受けると、細胞が死んだり、細胞分裂が遅れたりします。
このため、細胞分裂が盛んな組織(造血器官、生殖腺、腸管、皮膚など)には、数週間以内に障害が起こります。
少量でも、長期的に一定の放射線を受けることで、造血器官などの細胞のDNAなどの遺伝物質が損傷し、修復能力が追いつかず、がんや白血病などになることもあります。
放射線の影響は、大人よりも細胞分裂が盛んな乳幼児、子供、妊産婦(胎児)の方が受けやすくなります。
一時期報道された放射能の単位「ベクトル」と「シーベルト」の違いについて、なかなかわかりにくい部分もありました。
「ベクトル」は、放射線を出す能力(放射線の強さや量)を表す単位で、「シーベルト」は、放射線が人体に与える影響を表す単位です。
例えを電球にしてみると、光の明るさ(強さ)そのものが「ベクトル」、電球からの距離で異なる明るさが「シーベルト」ということになります。
放射性物質は、自然界に永遠に残るものではありません。放射線を出して別の原子核に変化し、最終的に放射性物質ではなくなります。
元の放射性物質の原子核の個数が全体の半分に減るまでの時間は種類によって異なりますが、例えば、ヨウ素131は約8日間、セシウム137は約30年です。
これを「物理学的半減期」といいます。
厚生労働省は食品中の放射線物質に関する暫定規制値を定めていますが、これを上回る食品は、食用にすることができません。
暫定規制値は、食品の放射能濃度が半減期に従って減っていくことを前提にしています。
このレベルの汚染を受けた食品を飲食し続けても健康に影響がないものとして設定されています。
このように暫定規制値は、相当の安全を見込んで設定していあるため、出荷停止となった食品をそれまでの間一時的に飲食していたとしても健康への影響は心配ありません。