　年に一回自然観察指導者研修会が開かれている。今年も参加した。今年は有馬富士公園で日帰りで行われた。時間は10時から１７時の予定である。１７時終了となると帰りは渋滞が予想される。車はやめて電車で行くことにした。

　新三田駅に９時過ぎに到着。ぽつぽつと歩く。歩道にはアレチヌスビトハギがはびこっている。

　花としてはきれいだと思う。でも、この実が曲者だ。

植物も分布を広げねばならないので頑張って道に倒れ込んできている。何も知らずにこの茂みに触れたら服がえらいことになる。横の畑を見ると大豆のようだが葉の形が少しおかしい。花のきれいな黄色だ。これは大豆ではないと断言できる。

調べてみたらアズキだと出た。この黄色の花であずき色の種子ができるというのは少し面白い。

また、こんな実もある。ザクロのようだが小さすぎるし、実が多すぎる。

これも調べとナツメだと出る。便利な世の中だ。

　公園の入り口手前に段丘堆積物を観察できる露頭が保存されている。そこに立ち寄る。

　草が生えてきており観察には少し良くない。手入れをしてほしいものだ。

　９時３０分過ぎに会場に行くとほぼ満員である。３人掛けのテーブルの真ん中に座らせてもらう。午前は蜘蛛と蛇についてのお話であった。予定より早く始めたが予定より遅く終わる。なかなか充実した楽しい内容であった。

　昼食を食べに外へ出たらぽつぽつと雨が降っている。これぐらいなら大丈夫かとベンチに座ったらザザーーと降ってきた。慌てて研修室へ戻る。狭いのを辛抱して昼食を終える。

　午後はコウモリの話がある。１時間の予定が４０分で終わる。その分外での観察を増やすという。２時２０分に出発。雨はやんでいるがムシムシとして低温サウナの感じだ。皆さんで主にクモを観察しながら歩く。今回の大ヒットはこのニホンヒメグモだ。

　中央の巻いている葉の中にクモは隠れている。矢印の所にうっすらと平面上のクモの網がある。ここに獲物がかかったら葉から出てくる。この葉がそういう目で見るとたくさん見つかる。なかなか楽しい。

　これはおなじみのジョロウグモ。

　上にはオスグモがいる。先生の話では雄は成熟しているが雌はあと一回は脱皮するという。大きくなるのを雄は待っているらしい。確かに雄は大きく見える。そういう風に見たことはなかった。別の巣では脱皮して物が見つかった。

　ジグモは今はかなり珍しくなってきているというが、ここでは巣を見つけることができる。巣を優しくつつくと中から牙で噛みついてくるそうだ。

　頑張って優しくつんつんとするがクモは現れなかった。残念である。

　このほかにもいろいろなグモを見つけることができた。ただ、小さいので写真にするとうまく写らない。仕方ない事だろう。十分にクモを楽しんで研修を終えた。なかなかいい一日であった。ほとんどの方はここから車で帰られたが私は新三田駅に戻る。電車に乗るとなんと乗客は私一人。

　少し寂しかったが次の三田駅で赤ん坊を連れた方が乗ってきた。この子が頑張って車内をにぎやかにしてくれていた。なかなかありがたいものだ。

有馬富士公園での研修会