紅魔館の一室で、メイド服を着た男(の娘)がとある部屋の前で、涙目で唸っていた。
「う~」
それを見ている妖精メイドの殆どが、鼻血をそこかしこに垂らしながら倒れている。
彼、時雨自身はかなり嫌なのだが、この館の主人であるレミリア・スカーレット及びその他全員の要望であるせいで、言うことを聞くという道しか残っていなかった・・・。
「はぁ・・・。失礼します」
「入っていいわよ」
仕方ないと割り切り、ドアをノックしながら声をかけると、楽しみという声音を含みながらも上に立つ者としての威厳を感じさせる声が聞こえてきた。
今にもスカートの中が見えそうなスカートの裾を抑えながら入ると、そこには紅魔館のメンバーが全員そこにいた。
「こ・・・これでいいんですかぁ~?」
「えぇ。今日一日はその格好でいなさいね♪」
楽しそうな声音でそう言うと、レミリアは急に鼻を押さえた。
そしてそれは、周りにいるフランドール達全員も同じだった。
若干二名ほどが危ない目をしており、人のそういう気配には特に敏感な時雨は尻尾をペタンとしながら、頭の耳を押さえて、その場に蹲った。
それを見た咲夜は、最早ここまでと呟き、鼻血をロケット噴射のように出しながら、その場で気絶してしまった。
レミリアとフランドールは何とか堪えているが、それも時間の問題であった。
パチュリーと小悪魔は限界寸前で、美鈴は鼻血を出す前にここから退散しており、紅魔館の門番を真面目にしていた。
「あ、あのぉ~。レミリア様?」
上目づかいでそう尋ねる時雨を見て、レミリアはもう完全に我慢の限界に陥った。
咲夜と同じように鼻血を出しながら、気を失ってしまった。
「レミリア様ぁ~!?」
時雨はアワアワと慌て、急いで介抱しているが、それが逆効果だとは気付いておらず、更なる鼻血を出していた。
小悪魔は、何とか理性を保ちつつパチュリーと共に図書館へと向かった。
フランドールは、理性を保とうとしたが・・・。
「もう我慢できなーい!」
「フラン様ぁ!?ちょっと、そこは・・・」
全力で理性の縄が切れてしまい、時雨に襲いかかった。
そしてその日は、紅魔館中にかわいそうな少年メイドの嬌声が響き渡ったという・・・。