下総中山駅から日蓮宗の法華経寺へ向かう参道に、むやみに足を踏み入れてはいけないような、雰囲気を漂わせる場所がある、それがここだ。
荒行堂、遠壽院(おんじゅいん)の提灯。
その右には、「当山、根本御祈祷系授的伝加行所遠壽院」とある。
入口から、なにやら、ただならぬ気配を感じる・・・
こちらにも、「日蓮宗祈祷相伝荒行道場」と書かれている。
これを見て、観光や散策目的で、ここから先に進める度胸のある人はいないと思う。
その先に、おそるおそる進んでゆくと、これまた、お寺の山門では見たこともない門がある。
冠木門(かぶきもん)形式の山門らしい。
ここから躊躇なく、中へ入れたら、あなたは度胸がある。
すでに気が付いた方もいるかもしれないが、私が撮った画像が、かなりの確率で、右下がりに傾いている。
撮るときは水平に気を付けてるが、あとで見たら、ずいぶん傾いてるので、私の緊張がわかると思う。
手水屋にある水盤。
これだけは、普通の寺っぽい。
これが、おそらくは、本堂と思われる。
鬼子母神堂。
正面に、「荒行堂」と読める扁額が掛かっている。
庫裡・・・総受付がある。
修行僧面会祈祷受付。
修行僧に面会するには、ここで受付をするようだ。
私は、意を決し、ここへ入ってみた。
中にいた若い上人さまに、「御首題をいただきたいのですが・・・」と申し出ると、「そこで少々お待ちください」と返答されて、机上でさらさらと書いていただくことができた。
御首題の書き上がりを待つ間、目に入ったのは、びっくりするような、荒行の日課の表
だった。
起床午前2:50
3:00水行
4:00朝課~朝の礼拝と読経
5:30朝食~肉や魚を除いた精進料理、基本はお粥とみそ汁
6:00水行~桶で井戸水を汲み、読経をしながら頭からかぶる
9:00水行
12:00水行
15:00水行
17:30夕食~食事は朝夕2回のみ
18:00水行
19:00夕課
23:00水行~水行は計7回!
23:30就寝~翌日2:50に起きるまで約3時間しか寝られない
衣服は薄い木綿の衣だけで勿論暖房などない
上記以外の時間も、ひたすら読経三昧で、声を張り上げて膨大な量の法華経を、正座で何百巻と唱えるという。
遠寿院の大荒行の期間は、毎年11/1から2/10の寒中100日間。
修行僧は、この瑞門から入り、行堂にこもって、過酷な修行に励む。
見事、100日の大荒行を終えて、この瑞門から外に出てきた修行僧は、日蓮宗の加持祈祷を行うことができる「修法師」の資格を得るという。
これが、いただいた御首題。
御首題帳の紙から飛び出しそうな迫力一杯の文字が並んでいる。
祈祷根本道場という文字が入ってる御首題は、初めていただいた。
日蓮宗正中山遠寿院(大荒行堂)
千葉県市川市中山2-3-2
TEL047-334-2386