2021年12月25日クリスマスに
目標だったプロジェクトが登れた
このエリアで最もでかく、目立つ岩
石灰岩のため岩は白く
染み出しが特徴的な模様をつくる
この岩で奇跡的にホールドがつながり
クライマーならば
思わず登ることを想像してしまうだろうライン
この岩を初めて訪れた時からこのラインは見えており
しかしながらそのあまりの高さと下地の悪さ
そしてホールドの悪さからいつか挑戦できたらいいな
それくらい登るという事に現実味がなかった
ただ常に胸の中にいつもこのプロジェクトがあり
気になっていた
他の岩を開拓しながら
徐々にプロジェクトラインの掃除を始めた
岩は苔と土で覆われていて
1日で掃除が終わるような状態ではなかった
ロープを使い何日もかけて
掃除していった
巨大な浮石があったり
木の根がはっていたりで思った以上に掃除には苦労した
この岩の高さは10メートルくらいだろうか
上は傾斜がなくなるので実質的には7メートルくらい
登る事になる
今までにボルダーとしてこの高さの岩を登った事はない
絶対に落ちれない高さ
上部ではミスを犯すことは許されない
自分にそれができるのか?
つなげた時にヨレたらどうなるのか?
ホールドが吹っ飛ぶかもしれない
さまざまな不安を感じた
けれど、掃除した岩を見ていたら
それまでは登れたらいいなという夢のようなラインが
現実に目の前にあり、少なくとも
トライする事はできる
そう考えると急にプロジェクトラインが現実味を帯び
なんとなく登ることができるような気がした
ネガティブな事を考えても始まらない
細心の注意を払いながらバラシを開始した
トライ1日目は下部パート
スタート体勢がすでに悪く遠い初手に手を出せない
試行錯誤していたらスタートホールドが欠けて
ムーブの変更を強いられた
徐々にムーブがばれ、3手目までつながったのだが
4手目のピンチ取りがかなり強度が高いことがわかった
なんとか4手目が取れてもその後手が出せない
下部の強度は思ったよりも高い事がわかった
数手しか進んでいないが翌日背中がギシギシになった
トライ2日目
この日は冷え込んでかなり寒かった
おそらく0度をきっていたのではないか
霜柱が昼を過ぎてもとけない
ホールドかと思ったら氷だったりした
トップロープで中間部から上部をバラした
泥が滑って、ガバでもうっかりすると落ちそうになる
一部脆いホールドがあってかけたりした
とにかく中間部以降のムーブを何度も確認し
足位置を入念にチェックした
下部のバラしでは初めて4手目が止まり
全体を通して登ることに、現実味がでてきた
トライ3日目
レストをはさみ
身体を回復させてコンディションを整えた
毎日この課題の事を考えて、
イメージトレーニングを行った
しかし、
前日の夜から明け方にかけて雨が降った
家を出ると道路も車も濡れていて
とてもじゃないが岩を登れるとは思えなかった
身体の調子はよかったのだが
集中していた気持ちが途切れるのを感じたが
岩を拭いておけば翌日にはトライできるかもしれない
気持ちを切り替えて岩場へ向かった
お昼前に岩場に到着すると
びっしょり濡れていた
ところがプロジェクトラインは不思議なことに
そこまでではなかった
もしかしたらと淡い期待をして
とりあえずロープをたらし
タオルで拭いてチョークアップしてみる
どうやら登れそうなのでトライすることにした
まずは、トップロープで上部のおさらいをすると
最後のキーホールドが欠けた
本気トライの時でなくてよかった
下部から中間部へのリンクパートの確認
色々やり方を探ったが他にやり方は無いようだった
いよいよ下からつなげる
ロープを脇によけ
マットを敷いてボルダースタイルでトライを開始した
スタートのクラックが結露ですべり
すっぽ抜けたりした
何度か本気トライをしたが4手目がとまらず
時間だけが過ぎていく
身体の調子は良いのだが
湿度が高いのか結露なのか岩のフリクションの
微妙な違いからイメージと食い違い
どうしても思うように身体を動かせていなかった
次のトライでできなかったら
諦めようと思った
それで気持ちが軽くなったのか
4手目がとまり、5手目まですすめた
しかし、その後で落ちた
もしかしたら登れるかもしれない
夕方になり、日暮れが近づいていた
気温が下がり徐々に岩が結露するようになっていた
もう一度トップロープでぶらさがり
上部をタオルで拭きチョークアップする
ただ拭いた瞬間には結露するので
そこは仕方ないのでそのままトライする事にした
プロジェクト全体のムーブのイメージは固まっていた
上部では絶対にミスを犯さない確信があった
長めのレストと、
メンタルを整えてトライすることにした
不思議と気持ちが軽く、
恐怖心は一切なく、むしろ冷静で楽しい気持ちも湧いてきた
トライ開始。
身体が軽く感じた
核心が止まり、中間部
ここからは引き返すことはできない
ミスも許されない
とあるホールドをマッチしたら
手の中でピキッと音がしたが
勇気を出して手を出した
そのまま上部パートへいくことができた
とにかく足位置を正確に置く事を意識して
手に頼らないようにした
最上部のホールドはやはり結露していたが
冷静に処理して
気づいた時には岩の上に立っていた
想像が現実になった瞬間だった
岩から降りる時はふらふらで
我ながらよく登ったものだと思った
スポットをしてくれた保科さんと
顔を合わせた時、プロジェクトを登った実感がわいた
2人で子供のように喜び
歓喜を分かち合った
この課題を登れたのは保科さんのスポットや励まし
掛け声、フォローがあったからだ
とても心強かったです
感謝します
ありがとうございました
グレードは一旦、2段としておきます







