毎朝寒い朝がやって来ます。庭に遊びに来る雀も寒いのでしょう。羽毛を立てて膨らんでいます。四十雀も膨らんで寒気を凌いでいます。膨らんでいるので「膨ら雀」と呼ぶのでしょう。「フクラ」は”福が来る”とも呼べます。縁起の良い雀ですから季節感もあります。明日はお正月、鎌倉の鶴ケ岡八幡宮に初詣ですれば。お嬢さんの綺麗な晴れ着と福良帯を観る事が出来るでしょう。他方「寒雀」と呼べば意味は前々違います。焼き鳥の事です。寒くなると猪も鰤も脂肪が乗って美味しくなります。「寒ブリ」と同じく「寒雀」は美味しいのです。猪も寒さ対策で脂肪を溜め込むので美味しくなりますし鴨も一番美味しい季節です。「牡丹鍋」も「熊鍋」も「鴨鍋」も寒中が旬です。

霜の降りた朝は雀は羽毛を立てて防寒します。膨らんで見えるので「ふくら雀」と呼びます。

　　　　　　　　　　　　　　庭の李の枝先に群れる膨ら雀

お嬢様の晴れ着に相応しい福良帯

今が旬の鴨鍋

矢張り寒中が旬の牡丹鍋

脇へ行くな鬼が見るぞよ寒雀　　一茶

屋外に住む雀は急激に数を減らしています。瓦屋根の家が少なくなったので営巣する場所に窮している事カラスに狙われている事等多くの理由があるのでしょう。でも「舌きり雀」初め雀が登場する民話は数多く「人間と雀」の良い関係は平和で平凡な日常のシンボルです。

舌切り雀は日本人に動物との距離感思いやりを教えてくれました。

竹笹に雀は佐伯氏始め家紋に多く採用されています。豊穣と人徳を大事にする家紋でしょう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【了】

可愛い庭の「ふくら雀」