昨日(６/２６日)は日本文化研究会もズーム句会が実施されました。昨秋ぬ続いて第二回目でした。会員も要領を覚えましたので楽しい句会になりました。作品の募集は1月前でしたが。提示された季題は梅雨時で「紫陽花」とか「稚鮎」等が提示されていましたので、梅雨時に句会を実施する事を予定していたのでした。私は一月前に応募しておきました。季語に「喜雨」を選びました。梅雨は鬱陶しいので嫌われますが、多くの生物にとっては命を育む「慈雨」で喜んでいるのです。”雨を喜ぶ”と云う意味では新しい長靴を買ったり雨傘を刺したりする時の喜ぶを思い出しますが蛙や稲にとっては死活問題ですから悦びも命自身から沸き立つものです。私の脳裏に敬愛する会津八一氏の短歌が浮かびました。季節は早春でしたが雨を喜ぶ感性は素晴らしいモノがあります。

『奈良坂の石の仏のおとがいに小雨流る春は来にけり』

上記会津八一氏の短歌を踏まえて私は次を投句しました。

これは明日香の猿石です。明日香村には水に関係した石造文化財が多く遺されています。

『猿石の首短くて喜雨濡らす』

第１句が出来ると続いて句が出来ました。４日前に湯沢温泉に石川雲蝶の仁王像を見学に行った時の体験でした。田圃には畔が作られ水が張られて田植えの準備は整っていまあした。私が畔を歩くと驚いた蛙が継ぎ継ぎに水に飛び込みました。

野沢温泉に在る「瑞祥庵」の仁王像『石川雲蝶作」

『田植え前畔一巡り喜雨の中』

夜床に着くと外の木の枝から雨蛙の鳴声が響いて来ました。

これが枝蛙です。産卵を終えると蛙は安全な樹の上に登ります。そこで雨蛙とも「枝蛙」とも呼びます樹上の枝蛙は葉の緑に紛れてしまいうので声はしても姿は在りません。

『枝蛙喜雨の緑にまぐれたり」

ズーム句会の司会者は伊予松山にお住いの先輩です。先ず投句された１７作品と句会参加者(９人)の評価結果を発表します。

句会開始のパワーポイント画面

句会に投句された作品と評価の画面。一人２句に評価を与えられますので３人の評価を得られた句が三点句になります。

私は昨秋の句会では三点もゲット出来たのですが。今回は案の定１点が一つ評価は得られませんでした。最初の句が猿石と云ってマニアックな石造文化財で馴染みが無い事、季語も喜雨と云った都会人には縁が薄い言葉を選んだので致し方ありません。

私の作品ではありませんでしたが次に感心しました。

三点句の誉れを得た「風薫ル子規の白球伊予の国」この句は友人のМ君が司会者のО先輩(松山住人)への挨拶句でした。

「人住まぬ廃屋なれど桐の花」私が１点投じました。

「古扇風にかすかな香りあり」様々な意見が出ました。

先輩の投句に次が在りました。「再会は何時の日のこと蜆汁」セミナーもズームですし、顔を合わせない味気無さが残ります。一堂に会してセミナーや句会をしたいモノです。「何時の日のこと」にも実感が籠ります。シミジミした思いが「蜆汁」なのか？友人の味が蜆に通じるのか解りませんが、私は蜆汁も好きですが「泥鰌汁」も好きです。蜆は春泥鰌は冬の季語です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【了】

「ズーム句会」の楽しみ