吉良上頭介の墓を華厳時で参拝して私達は吉良温泉の入口に在る「吉良歴史博物館・吉良饗庭塩の里」に向かいました。我が国の塩は海水を煮詰めて作りました。古代は藻塩と呼ばれて、塩水を含んだ海藻を釜で煮詰めて藻塩を作りました。宮城県塩釜市の塩釜神社は藻塩作りがルーツでしょう。また備中赤穂に近い吉備津神社の「鳴き釜神事」も製塩の最終作業が釜で濃くした海水を煮詰めた事がルーツと思います。日本の海水の塩分濃度は3%程度ですから、先ず天日干しや塩田で水分を蒸発させ、海水を濃くしてから、釜で煮詰める事にします。
藻塩は日本の伝統的な塩です、藻塩の味が魅力です
塩釜神社の藻塩焼神事
塩釜神社の藻塩焼神事、鎌倉市大船の塩釜神社では「ホンダワラ/海藻」をささげています。
備中吉備津神社の鳴き釜神事も製塩がルーツでしょう。
塩分濃度3%の海水を飽和塩分迄濃くする(30%)のが製塩業の秘訣です。奥能登では「あげ浜」と云って海水を汲み上げて砂浜に播いて塩分を濃くした砂を釜に入れて煮詰めて製塩します。安寿と厨子王の姉弟が海水を汲み上げて柴を焼いて製塩したのでしょう。
奥能登のあげ浜製塩事業
瀬戸内海の伯方島は「伯方の塩で有名です。此処では飽和塩分迄濃くするために流下式枝条架併用塩田事業を採用しています。
伯方の塩を作る為に海水をポンプアップして流して塩分濃度を高くします。
伯方の塩では塩水槽に集まった濃い海水を煮詰めて製品にしまあす。
現代はメキシコ産の岩塩を瀬戸内海の海水に溶かして煮詰めているようです。
吉良の塩も原材料はメキシコになっています、でも吉良ではなくて「雲母/きらら」になっています。
雲母は耐熱材料ですから鉄砲や大砲に使用されて貴重だったのでしょう。
吉良町歴史民俗博物館で一通り勉強してから製塩体験(200円)を始めました
此処が塩田で海水を撒いて水分を蒸発させた砂をかき集めて濃い海水を作ります
海水の干潮満潮を利用してを入り浜に海水を引き込んで
流下式枝条架併用塩田で濃くしてから煮詰めて塩を抽出していました
塩造り体験の道具
飽和塩分の海水100CCがくばられます、これを素材に30gの塩と若干のにがりを抽出します。
飽和塩分の海水が煮詰まると土鍋の周囲に塩の結晶が出来てくるのでヘラで掻き落とします。
珈琲をドリップするフィルターに入れて塩の結晶とにがり(水)を分離します。
自分で作った塩とにがりを土産に持ち帰れます
【了】