5月8日(水)は既にアップした様に南青山の根津美術館に出かけ尾方光琳の「杜若図屏風/国宝」を鑑賞しました。次いで表参道に戻って明治神宮を参詣しました。明治神宮本殿に詣でるには3基の白木の鳥居を潜ります。勿論一の鳥居は原宿駅から入って最初の鳥居です。この第一鳥居は明治神宮鎮座百年祭の記念事業として約100年ぶりに建て替えられ、2022年7月4日、竣功清祓式(しゅんこうきよばらいしき)とくぐり初め式が行われたそうです。

                 明治神宮の一の鳥居の竣功清祓式(写真は明治神宮)
この新しい鳥居の柱に使われたのが、奈良県吉野郡川上村産の吉野杉です。高さ10.1メートル、笠木(一番上の横位置の木)の長さ15.6メートルという大きさを誇る鳥居を造るため、吉野杉をはじめ全国から材料となる木を探し出し、さまざまな人の力を結集して新しい鳥居が完成しました。

明治神宮の一の鳥居の建て替え工事(写真出典明治神宮)古い鳥居は台湾檜でした

材木は台湾檜(ひのき)から国産杉に変更。これまでの鳥居や他の7基は全て檜材を使っているが、新しい鳥居は境内で唯一の初めての杉材となりまあした。1990年代以降、台湾の国有林(天然林)の伐採が原則禁止されていることから、新しい鳥居の柱は東側が樹齢280年、西側が樹齢260年の「吉野杉」、笠木は栃木県の「宇都宮材」など、島木は三重県の「美杉材」など、貫は福井県の「足羽(あすわ)材」など、国内数カ所の杉を使って制作。島木の外側・内側に取り付けられている「菊の御紋」は、旧鳥居の御紋の箔を貼り直し使っているそうです。明治神宮本殿に近い鳥居の脇にはこうした経緯を案内してありました。

明治神宮本殿前の鳥居

明治神宮本殿の内陣のご神木の楠の樹

明治神宮新築時は台湾は日本の一部の様な感覚でしたから檜を台湾から運ぶ事に異論はなかったのでしょう。でも今は違います。台湾は日本の大事な友好国です。檜を国産材で充足させるのは日本国の矜持です。全国の文化財の将来対策として国有林で檜を育成する必要があります      【了】