5月6日浄智寺で白雲木を観て北鎌倉駅に戻る為歩きました。この道は国宝「一遍上人絵巻」に描かれた古道です。道の左側は東慶寺の石垣で右側は小袋川が流れています。両方とも「鎌倉石」の石積みです。石積みの僅かな隙間に根を刺し込んで自生している小菊が咲いています。鎌倉では「源平草」という名で呼ばれていますが、全国的には「源平小菊」の名で通っています。

一遍上人絵巻山之内の場面鎌倉の府内に向かった一遍上人一行は幕府役人に拒まれる

これが今日の話題の「源平小菊」です。梅雨前が花の盛りです

源平小菊は強い山野草で石垣の様な厳しい環境でも逞しく育ち種子をまき散らして繁茂します。放ったらかしでも育って綺麗な花を咲かせます。種を採取して庭にばらまくだけでも芽生えます。逆境で良く咲いて可愛いといった意味では「蔓姫蕎麦」と似ていますし、現実的にも同じ石垣で「蔓姫蕎麦」と「源平小菊」は競って自生しています。

東慶寺石段下に自生している「源平小菊」

東慶寺境内に自生している「蔓姫蕎麦」

源平小菊も蔓姫蕎麦も他の山野草は活着出来ないような逆境だから生育出来るのでしょう。鎌倉は砂岩が多く逆境に耐えられる山野草だけが繁茂できるのです。もうじき咲き出す「イワタバコ」も同じ特徴を持った美しい山野草です

これは東慶寺の櫓に咲く「イワタバコ」です

「イワタバコ」も「源平小菊」も「蔓姫蕎麦」も逆境に強い山野草ですから、花期が終わった頃に種子を採取して庭先に播いておけば何時の間にか発芽して花を咲かせてくれます

円覚寺前の子袋川の石積みに自生して毎年可愛い花を咲かせている「源平小菊」と「蔓姫蕎麦」

                   【了】