10月7日放送のエンディングナンバーで流したのは、ラジオネーム・たまねぎ男さんからのリクエスト、桐嶋ノドカで「風」でした。


round voice



1991年横浜生まれのシンガーソングライターで2012年にデモ音源を小林武史に送ったことがきっかけで同氏のスタジオに通うようになり、その後もコンスタントに曲を作り、ライブハウス出演を続ける。今年7月に同氏プロデュースの5曲入りのミニアルバム「round voice」=写真=でデビュー。


「風」は1曲目に収録。ピアノとドラムと打ち込みが融合する異空間サウンドの中から ♪呼吸はとうに止まっていた/風が運んだ砂に埋もれ/皮膚は分厚く乾いた/私自身を捨てられず♪ と透明感あふれる、でも力強い歌声とともに歌われる、彼女自身をの切なる願いや宣言が込められた楽曲。間奏でコーラスを重ねていくパートがあり、この部分だけ聴いても鳥肌が立つほどの衝撃。この人の武器は唯一無二の声なんだなと認識できる。こういったコラムを書く歳、ついつい○○っぽいと比喩してしまいがちだが、桐嶋ノドカはデビュー時にして確固たる自分を確立させている。そして、音を重ねすぎず彼女の声の魅力を最大限に引き出している小林武史のアレンジも素晴らしい。


ラストの「世紀末のこども」を聴き終えてしばらく余韻に浸った後、またプレイボタンを押したくなるアルバム。桐嶋ノドカ、今後も要チェックです。



エフエム岩手釜石支局 千葉東也



【コラム・今週の一枚 凛として時雨「es or s」】


esors



メーンコンポーザーの北島徹ことTK(Vo&Gt)らによる男女3人組のオルタナティブロックバンドの5曲入りミニアルバム。9月2日発売。


今年1月にベスト盤「Best of Tornado」を発売し、2005年のインディーズデビューからの10年間の歴史を総括しての次の一歩ともいえるアルバム。かつてデビッド・ボウイやU2がレコーディングを行ったドイツ・ベルリンのハンザスタジオでレコーディングされ(TKがエンジニアを担当)、これまでの作品よりさらにレベルアップし研ぎ澄まされた音像が浮かび上がる。1曲目「SOSOS」から5曲目の「end roll fiction」までノンストップで聴き入ってしまうこと間違いなし。個人的には3曲目の「Karma Siren」のドラムの音が好き。初回盤には7インチレコード(SOSOS/Mirror Frustration)も収録。