取材@橋野鉄鉱山非公開エリアに潜入日本時間の7月5日に世界文化遺産登録が決定した釜石市橋野町の橋野鉄鉱山・高炉跡(橋野高炉跡及び関連遺跡)。現在は高炉跡のみ一般公開しており、登録決定後、多くの方が訪れています。8月21日、通常は公開されていない鉄鉱石採掘場跡と運搬路跡の報道向け見学会が行われ、私チバ☆も取材に行ってきました。この日は青空が広がり、絶好の見学会日和でした。採掘場跡は釜石市と遠野市にまたがる大峰山の山中にあり、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターから南へ約2・9km先。インフォメーションセンターは標高550m、採掘場の最も高い場所は標高850m。世界遺産登録推進室の佐々木育夫室長と森一欽(かずよし)さんのガイドを聞きながら取材陣は標高差300mの林道を約1時間半かけて向かった。パンフレットに掲載されている橋野鉄鉱山の全体図。高炉場跡、運搬路跡、(鉄鉱石)採掘場跡と分かれている午前10時6分、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターを出発する取材陣一番高炉跡から山奥にある二又林道の門を開けて非公開エリアに潜入道中に沢があるので、石の上を歩いて渡る。TVカメラを持っている人達は大変だ釜石鉱山と繋がる坑道。現在はコンクリートで閉鎖されている(写真上部)午前11時27分、採掘場跡に入る。ここにも門があるので見学会以外で立ち入ることはできない標高825m、釜石鉱山と繋がるもう一つの坑道があった採掘時に鉄鉱石以外の石が捨てられたズリ捨場。森さんによると昭和54年まで捨てられていたらしい土のうの階段、ロープにつかまりながら標高850mの採掘場跡に向かう午前11時40分頃、標高850mの採掘場跡に到着。江戸後期~明治時代は人力による露天掘りで鉄鉱石の採掘作業が行われていた半地下坑跡。層がはっきり残っている中央部の石垣磁石が岩肌にくっついた。鉄鉱石は今も現地に残っている運搬路跡。道幅は約1m~1.5m。当時は採掘した鉄鉱石を牛に乗せて高炉場まで運んだ釜石市で設置した運搬路跡の目印の青色杭午後1時ごろ、橋野高炉跡の大門に到着。約3時間の見学会を通じて思ったのは、昔の人は苦労して鉄造りを行っていたという再認識でした。快晴の日も雨の日も雪の日も片道1時間半かけて採掘場まで行き、鉄鉱石を採掘し、高炉場まで運んでいたのだな、ということ思いを馳せながら道中を歩きました。ちなみに、釜石市では9月23日(水)に一般向けの見学会を行う予定です。定員30人。※釜石市世界遺産推進室によると、9月1日の受付当日に定員に達したそうです。 Text&Photo by チバ☆