8月6日(土)に発行された復興釜石新聞第17号。
1面は、4日に再開した釜石魚市場の記事を掲載。
元々の場所にあった魚河岸地区の釜石魚市場は周辺の地盤が1メートル近く沈下。
製氷工場などの施設で被害を受け、水揚げができない状態が続く中、約1キロ離れた新浜町の第2魚市場を当面の水揚げ場とし、岸壁を約40センチかさ上げするなど補修。
1日には仮の製氷施設も完成した。
この日の水揚げはサバやイカ、ギンザケなど約20トンにとどまった。
イカはほぼ平年並みの価格で取引されたが、サバは加工業者が被災したことから、平年のほぼ半額にとどまった。
水産加工業の玉木宏さん(73)は……
「(競りに参加したのは全体の半分以下で)さびしい気はするが、魚市場の再開はこんなに喜ばしいことはない」
遠野市のスーパーマーケットで買い付けを担当する菊池郁夫さんは……
「目の前に海があるのに季節の魚が手に入らないのが辛かった。これで消費者に喜んでもらえる」
……と笑顔で話した。
2面は、被災した釜石市の床屋さんが6月から出張理容で事業の継続に努めている記事を掲載。
県理容生活衛生同業組合釜石支部(86店加盟)の3月31日時点の調査では、49店が全壊、3店が半壊、亡くなった組合員もある。
出張理容は病院や福祉施設、介護分野などで従来から行われていたが、これほど多くの理容師が従事するのは初めて。
津波で流出した器具や道具は、全国組織の全理連や県組合などの支援で少しずつ行き渡り、指導機関の岩手県は衛生面の注意を徹底。
釜石支部では組合員のリストをまとめ、仮設住宅の掲示板などに張り出した。
出張理容を受け付けているのは、釜石市16店、大槌町6店。
このほか、盛岡市のNPO法人FEELが9月に復興美容室を9月にオープンする記事も掲載。
3面は、県立釜石商工高校「釜石商工魂を培う100キロ踏破」の記事を掲載。
100踏破は旧釜石工業高校時代から続く伝統行事で、旧釜石商業高校と統合した2009年以降も続けており、今回で通算23回目。
盛岡市の南部から釜石市の釜石商工までの道のりを2泊3日で踏破する。
今回は生徒39人と教職員が参加。
7月30日に出発し、8月1日午後4時39分に無事ゴールした。
金沢広利校長は……
「震災の支援に感謝する心、がんばっていることをアピールしてくれた。参加した自信を勉強や部活に生かしてほしい」
……とたたえた。
生徒代表の3年岩瀬奨平君は……
「(100キロ踏破が)実施できてよかった。支援の先生や家族のおかげで踏破できた。3年生にはいい思い出になった」
……と語った。
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