さかなでは記録する。

 それはすべてではなく、作品で語らせなかった出来事や、隠されたキーワードのため。

 

 

聖霊王について

 

 

It was golden, green and black 

It was in the shape of a person 

But no one could recognize it as a person 

I named it earlier from the beast 

When people knew it was horror 

Finally they knew the name of it

 

聖霊王記 ~やらかして地縛霊になった俺は、神ってやつに強制転生させられ、その異世界を滅ぼせと言われました

 

現在進行形での小説は『小説家になろう』で執筆中です。

これは『カクヨム』で執筆していた「精霊王」がある事情(過去にパスワードを忘れて登録しなおしたとき、それが二重登録と認定されて作品ごと抹消された)で継続不能となったため、代替として掲載するに至ったのです。作品としては実験的な意味合いもあった同作は、より精度を高めたいとかねがね思っていたので、旧作の設定を残し、さらに練り上げていくものです。

 

作品中の散文詩

 

作品中には、作品の場面の展開をより印象付けるため挿入部分として短い散文詩を書いている。冒頭の散文詩も現作のものからの英訳である。旧作で最初に出てくるのは修道院の孤児施設でのお祈りの部分だ。

 


盗むことは善なること
騙すことは良なること
殺すことは聖なること
神は御心を強きものだけに与えた
強きものは弱きものより奪うべし
賢きものは愚かものより奪うべし
 

主人公が放り込まれた世界が、いかに悪人に、いや悪意に満ちた場所かを子供たちの祈りの声であらわした。これは現作にも引き継がれた。

 

盗むことは善なること

騙すことは良なること

殺すことは聖なること

奪うことこそ神の御心

汝疑う心を持ち

虐げるべきはか弱きもの

汝欺く心を持ち

エンリル神に全て捧げよ

 

前作より宗教的色合いを強くし、神の名を入れることで、その神との最終対決の布石としている。

 

暗黒には暗黒を
怨嗟と怨讐を
赤き血を黒く
祟りあえ 恨みあえ
虚空の稚児は
腹満たさぬ虚無の悪鬼
わが魂を喰らい
その魔を示さん

 

旧作でグラン・デュランの女王、メリル・ローズが七人の魔導師の呪縛を受けていたとき、その魔導士たちの祈祷の言葉として書かれている。

 

 

想像したことがあるだろうか。

車の騒々しい排気音や振動で目覚めなくてもいい朝。
鳥の声やハーブのいい香りでふと目覚めるような朝。
ゴミ収集車の音に慌ててパジャマ姿で玄関を飛び出さなくてもいい朝。
すらっとした美しいメイドたちが遠慮がちに起こしに来てくれる朝。

 

舞美が異世界に転移して、その環境を受け入れつつある場面の描写だ。これは旧作で書かれている。かのジョン・レノンの『イマジン』のオマージュ的な色合いをさらにパロディにした。

 

漆黒の闇を司るわれらが主よ
天をも滅ぼすその御力と
地をも砕くその非情さと
願わくばわれらが血を糾《あざな》い
世に呪いに満ちた災いの裁可を
煉獄の業火に我が子らを
来るべき禍福のときまで 投げつくさん

 

悪魔王子デルフィの国、ガルアシア国教『大悪魔教ブルゼンシュタッド』の祈祷の言葉として書かれている。

 

 

天は我とありと言わんがために
地は我とありと聞かんがために
いにしえより伝わるエラトーのうた
密かに禁断の果実を味わうがごとく
闇のいざないに胸かきむしる
抗うすべを失うあなたに笑う

 

旧作のガリア山脈を越えるガレイ船の中で、デルフィの妹、エイリスが魔法発動の詠唱として歌う。

 

 

チキリスの草の赤い毒 舌を腐らせよ
キタシスの実の緑の毒 目を腐らせよ
どの花も採ってはならぬ 甘い蜜
つぶして まぜて 飲み干して
 

精霊リリアスタが主人公の前に現れるとき歌った。

 

 

ぼくらは長いあいだ待たされていたようだった。

その結果が、いびつな数のぼくらの集合体であって、

誤解されるほど大きな集合体ではなかった…。

 

飛行船のなかで主人公とマミが夕日を眺めているシーンの冒頭の詩。妹の舞美の登場を示唆している。

 

 

人々が見たのは預言者の一人

金色の目とび色の髪しなやかな四肢

青く深い地の底から現れるや奇跡を予言した

それは人々の死と世界の死

それは新たな生まれのため

 

冒頭の英語のもと。現作の『聖リレント復活祭』で語られる。預言者がこの世界が滅びることを示唆する。