雛だったジュリーの2~3時間ごとの給餌も終了し、ジュリーはMr.シュナウザーの百恵と一緒にいることが多くなり、ふたりは大の仲良しになったのです。
 
茶の間では、ジュリーはカゴから出され、ふたりはいつも追いかけっこをして遊びます。
 
シャワーやお風呂が大嫌いな百恵と、毎日でも水浴びをしていたいジュリーの追いかけっこのお蔭で、百恵のシャワーがとっても楽になりました。
 
ジュリーを追いかけているうちに、浴室に入り込んだのにも気付かない百恵。
 
やっと気付いても、その時には浴室のドアは閉まり、上からシャワーが降りかかってきます。
 
茶の間での追いかけっこで、百恵に追いつかれそうになると「百恵、オスワリ」「百恵、オテ」「百恵、おかわり」と、ジュリーが声高に連発すると、百恵は急ブレーキをかけて止まってお座りをし、ひとりでオテ・オカワリをやっているその間に、ジュリーは百恵の届かない茶箪笥の上に避難します。
 
また、ジュリーがカゴの中に居ると、フジテレビ系列で放映されていた時代劇で、主役の紋次郎が、いつも長~い爪楊枝っぽい藁のようなものを口に挟みながら、「あっしには関わりのねぇことでござんす」と吐くセリフが、当時の流行語となりましたが、ジュリーに爪楊枝を咥えさせると、{シャッシャッ}と咥えたまま首を振る姿は木枯らし紋次郎にソックリ!!
 
ジュリーが紋次郎に変身すると、誰が教えた訳でもないのに、百恵は鳥カゴにピターっとお尻をつけて、わざとジュリーにお尻を突っつかせ、オーバーに「あ~!!やられた~」っとでも言っているような演技をします。
 
「そんなに痛いんだったら、離れれば良いでしょう!?」と、余計な口出しをしても、「ほっといて~」と言わんばかりに、紋次郎劇場は延々と続きました。
 
そんな仲の良いふたりにも別れの日が来ます。
 
百恵が交通事故死で突然ジュリーの前から消えた1~2ヶ月後、まるで百恵の後を追うかのようにジュリーも逝ってしまいました。
 
きっと、百恵が寂しがっていると思ったのかもしれません。
 
それほど、仲の良いふたりだったんです。

 

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